北海道・知床で、鮭が自力で川をのぼれる環境を復活させたい!

北海道・知床で、鮭が自力で川をのぼれる環境を復活させたい!
北海道・知床の斜里町役場で、ふるさと納税制度を活用したクラウドファンディングに挑戦します! 鮭の漁獲量日本一のまち・斜里町では、鮭の自然産卵できる河川環境の整備に取り組んでいます。 鮭が海で成長し、産卵のために川に戻ってくる過程で障害となる段差を解消し、魚の通り道をつくるプロジェクトです。

実施理由/背景

川に設置された構造物の段差により、鮭が川をのぼれなくなってしまっている

 斜里町は、鮭の漁獲量が日本一のまち(※)です。しかし、昨今、鮭の漁獲量は減少してきています。2020年の漁獲量は、5,641tで、18年連続で日本一となったものの、近年減少傾向が続いています。
 現在の鮭漁業は、ふ化場で稚魚を育てて川に放流する「人工ふ化放流技術」に支えられている一方で、「自然産卵」で生まれている鮭も存在します。自然産卵の鮭は、放流した稚魚と異なる遺伝的・生態的特性を持っているため、自然産卵を維持することは環境変動に強い資源構造をつくることにつながります。また、産卵を終えた鮭は、多くの野生動物の餌となり、森に還ることで生物多様性も向上します。

 このように、鮭の自然産卵は、知床の自然を守るために重要ですが、課題になっていることがあります。それが、【川の段差】です。川の流れを制御するために整備された構造物によって、鮭が乗り越えられない段差ができてしまっているのです。

 私たちは、このプロジェクトで、川の段差を解消し、鮭の通り道となる魚道を整備したいと考えています。

 (※)鮭、日本一のまちとは・・・斜里町は18年連続で鮭の漁獲量が日本一!
プロジェクト内容説明

多くの鮭がのぼり、自然産卵できる河川環境を復活させる

(1)鮭の遡上を妨げている、川の段差を解消
 上流に良好な産卵環境があるものの、河川構造物による段差で、鮭の遡上が妨げられている箇所について、段差を解消します。
具体的には、河川構造物の下流側で川底が深くなってしまっている箇所を堰上げ(河床を高くして段差を緩やかにすること)したり、河川構造物の横に木材を使って「魚道」という魚の通り道をつくります。
 鮭が段差を乗り越えて上流の産卵場所に自力でたどり着ける環境の整備を目指します。

(2)自然産卵の状況調査を実施
 斜里町の川での自然産卵については、その規模や範囲など、まだ不明な点が多くあります。また、ダムや落差工等の河川構造物により、鮭の遡上が遮られ、産卵環境が変化している河川もあります。
 そのため、自然産卵の状況に関する調査を実施し、今後環境を改善すべき箇所の確認や、段差解消の効果の確認などを行います。
目指すところ

知床の自然を守り、資源の底上げ・安定化を目指す

 次々と川に遡上してくる鮭。あるものは野生生物に食べられ、あるものは無事に産卵を終え、自然に還っていく・・。原始河川で繰り返されてきた営みですが、今はあまり見られなくなりました。人による土地利用が進むにつれて、川の流れは制御され、多くの落差工が設けられたためです。

 鮭日本一のまちである斜里町の鮭漁業は高度なふ化技術に支えられて維持されてきました。一方で、細々と自然産卵している鮭も、資源の下支えや、生物多様性向上に重要な役割を果たしていることが近年明らかになりつつあります。自然産卵に関する最新の研究では、これまで想像の域に留まっていたさけ等の自然産卵の資源への寄与は、想像以上に大きいことが報告されており、自然産卵の遺伝的多様性を保全する役割や資源の底上げへの評価が高まっています。

 鮭の稚魚が成魚になり、海から故郷の川に戻るまでは、約4年の歳月がかかるため、長期的な取り組みとなりますが、一つ一つ問題を解消しながら、鮭が自然産卵できる環境づくりを進めていくことで、鮭の資源を底上げし、知床の自然を守っていきたいと考えています。
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