プロジェクトの目的
背景① 荒廃する伝統建築――日本の国指定文化財建造物は、国が保存修理を手掛けていますが、指定文化財建造物でない伝統建築も多く、特に氏子や寄付を失った寺社では荒廃が進んでいます。このままでは、日本らしい原風景が徐々に失われかねません。
以下の写真は妙心寺塔頭の福寿院(修復前)です。歴史あるお寺でありながら門や本堂の劣化がそのまま放置されていることがわかります
背景② 若手職人の育成――建設業では多くのベテラン職人が引退の時期を迎えています。若手職人の育成と更なる技能の伝承が業界全体の急務です。
2017年度時点で建設業関連職人が全国に331万人。その内55歳以上の高齢者が34%、29歳以下が11%と若手不足があきらかです。
*実数ベースでは、建設業事業者の内、平成29年は前年比で55歳以上が約3万人増加、29歳以下は約1万人減少。以下のグラフをご覧ください
荒廃する伝統建築と若手不足の建築業界という二つの大きな問題を解決するため、私たちは「建築の再生」と「技術の継承」のためのプロジェクトを立ち上げました。
2020・「京都職人育成アカデミー2020」京都妙心寺での「技能伝承&伝統再生」
場所は京都の名刹妙心寺の塔頭でありながら文化財として規制がかかっていない福寿院という寺院です。
福寿院は劣化が進んだ寺院の修復を行政を通じて当社に依頼しました。
劣化が進んだ福寿院
当社はその寺院を若手職人の修行の場として、その修復を若手職人への教育指導の場として活用することにしました。
塗り替えができないしっくいと同じ機能を持つ塗装材料と木の呼吸を妨げずに、汚れや劣化を防ぐオスモ社の塗料で刷毛かローラーを使用するなど工夫しました。
3日間の作業が終わり、寺院が生まれ変わりました。
プロジェクトの内容
◆古い伝統建築を守るために技能伝承活動を行います。
株式会社竹延の若手職人を中心に、伝統建築を修復するとともに、当社が培った建築技術、左官や塗装の技能をベテラン職人から手取り足取り学べます。
◆伝統技能に加え最新の新しい技術や材料・工法を採用することで、伝統を守りつつ低コストで長期間の保存修理が可能な伝統建築の修復方法を研究し構築します。
伝統建築物は高度な建築技術と材料に関する豊富な知識を持つ職人が必要とされますが、文化財の指定を受けていない場合、新しい左官や塗装の技術、工法を用いることができます。
竹延社長のメッセージ
・時間を掛けてこうしたお寺の修復を行うことで、日本の伝統文化を守り、若手職人の育成を図っていきたい。
・伝統と現代の異なる工法の架け橋となり、地域や歴史遺産の活性化にしたい。
・伝統建築物の荒廃が進んでいることを多くの人に知って欲しくて、今回のプロジェックとはインターネットを通じたクラウドファンディングを実施します。伝統技能の伝承と若手職人の取り組みの必要性を訴え、伝統建築の修復への協力を求めていきたい。
株式会社 竹延はどんな会社なのか
大阪にある創業70年の老舗塗装工事会社「竹延」です。
事業内容:外装内装リニューアル工事(大規模改修工事)、一般ペイント塗装工事請負。オフィスビル、ホテル、学校、病院などの建物から姫路城、太陽の塔、京都国立博物館などの著名な建築物の塗装仕事に携わっていました。
会社URL : https://www.takenobe.co.jp/
社長 :竹延 幸雄(たけのべ ゆきお)
参 考<プロフィール>
株式会社 竹延 代表取締役社長
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