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【はじめに】
はじめまして
静岡県静岡市にある望月屏風店四代目の望月悠と申します。
静岡市で雛人形、五月飾り用の屏風の製造メーカーで屏風職人をしています。20代屏風職人の若い感性と屏風製造技術を生かした新しい挑戦についてお話させて頂きます。
これまでは、ブライダル業界等でお客様の幸せのお手伝いをしてきましたが幼い頃から身近に見てきた祖父や両親の姿を見てきて私も家業で力になれることはないかと思い、この業界に飛び込みました。
祖父の弟夫婦のもとで昔ながらの本仕立屏風の作り方を一から教わりました。
とは言っても昔からの職人気質なため、言葉で説明することはほとんどなく、作っている手元を見て覚えるしかありませんでした。
とにかくたくさん見て真似してひとりで本仕立屏風を仕上げられるようになるまで5年かかりました。
たくさんの技を盗ませてくれた祖父の弟夫婦も引退し今では私が屏風の製造をしています。
現在は職人の高齢化や後継者不足のため、節句用屏風製造メーカーは静岡県では3社、全国では10社以下です。まもなく還暦を迎える三代目さえ職人の中では若手とされるほど職人の高齢化は進み、私のような20代職人はかなり珍しい存在になってしまいました。
三代目 望月篤
【節句産業は斜陽産業といわれるように】
望月屏風店は創業約70年、私の曾祖母と祖父が設立しました。
着物を着た創業者 望月つま と 当時の従業員
左 二代目望月章司 右 三代目望月篤
二代目望月篤と家族 (四代目望月悠 2歳の時)現在は三代目の父を中心に、家族と工場の従業員の協力のもと雛人形、五月飾りの屏風の製造にこだわりを持って作り続けています。
創業当時は金の本仕立屏風だけを製造していました。金屏風が飛ぶように売れた時代でした。
時代が流れるとともに、金屏風の売れ行きが落ちつき、枠屏風や金紙に金彩加工で絵付けが施された本仕立屏風も作るようになりました。
今では本仕立屏風のような昔ながらの本仕立屏風は減り、個性的で新しい形の屏風や飾り台を求められるようになり、若い私の知恵や感覚も会社の役に立てるようになってきました。
ままとそ 最新 収納結月飾り
まだまだ一人前とはいかない私ですが、もっと現代に合わせた新しいアイデアを生み出すことはできないか、もっと多くの人たちに弊社の製品を見てもらいたいと思うようになりました。
続いて、業界を取り巻く環境に関してご説明いたします。まずは「少子高齢化の進行」です。
2019年は86万5239人で前年比はマイナス5万3161人。記録が確認できる1918年以降では、2016年以降4年連続しての100万人割れであるとのデータが出ています。
※厚生労働省「出生数及び合計特殊出生率の年次推移 」より
節句産業を苦しめている要因は少子高齢化だけでなく、核家族の増加により、以前のような段のある豪華な雛飾りを飾る習慣が薄れ、簡略化される傾向が見られるようになったこともあります。
こうして節句業界は売り上げが減少し続けている現状です。
さらに少子化が進めば市場規模が縮小していくのが目に見えており、節句商品だけを作り続けても苦しくなると考えました。
※経済産業省「工芸統計調査」データをもとに作成
【生き残りと伝統継承をかけ、「ままとそ」誕生】
ですが、祖父