皮膚病に苦しむ動物を減らしたい【獣医皮膚科専門医のFINAL ANSWER】

皮膚病に苦しむ動物を減らしたい【獣医皮膚科専門医のFINAL ANSWER】
皮膚病で苦しむ動物の数を減らしたいと思って皮膚科専門診療に長年携わってきました。犬と猫の皮膚病を減らすためのコンセプトとして「腸活とスキンケアを通じた皮膚の健康増進」に辿り着きました。そして、大いな期待がもてる犬猫の腸活サプリメント開発に成功したので、この度ご紹介させて頂きます。

カゼイ菌”を利用したバイオジェニックスに大きな可能性を感じました。

① プレバイオティクスの凄いやつ“ケストース”とは?

ケストースはオリゴ糖の1種で、善玉菌にダイレクトに届きます。善玉菌の美味しいご飯!といった成分と考えてください。

人ではADの患児にケストースを投与した結果、投与12週後の症状が未投与群に比較して有意に皮膚症状軽減したことが報告されています。

      

犬でも2020年に注目すべき研究が発表されました。正常な犬にケストースを8週間投与した結果、糞便内の善玉菌が増加したことが確認されました。さらに、ケストース投与後にSCFAの1つである酪酸の濃度が顕著に増加しました。猫においてもケストースの給与4〜8週後に酪酸産生菌と酪酸濃度が上昇することが同じ年に報告されました。

私のクリニックでも、ADの犬を対象にケストースの給与を行いました。その結果、ケストースの給与8〜12週後に、約66%(38/58)の症例が減薬に成功しました。驚くべきことに、約12%の症例は休薬することができました。これが腸活製剤の凄さを知るキッカケになりました。

② バイオジェニックスの凄いやつ“パラカゼイ菌”とは?

パラカゼイ菌という乳酸菌、皆様も一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?成人ADを対象とした研究では、パラカゼイ菌給与群は非給与群に比較すると、12週後に有意に皮膚症状が改善されたことが報告されています。
#ケストースに負けず、パラカゼイ菌も凄い

ADの犬に対してパラカゼイ菌を投与した研究も報告されています。ステロイド剤など薬物で継続加療されていたADの犬を対象に12週間パラカゼイ菌を投与した結果、投与群は非投与群に比較すると、有意に減薬できたことが示されています。

① 安全面のこだわり

犬におけるケストースやパラカゼイ菌の研告では、主だった有害事象の報告はありません。また、主要アレルゲンを含まない成分への配慮をしたため、食物アレルギーの動物にも投与可能です。完全国内生産にもこだわりました。

② 安心面のこだわり

巷には様々な動物用の腸活サプリメントがあふれています。正直なところ、どれを選んで良いのか?という選択基準がありません。FINAL ANSWER プロジェクトでは、可能な限り科学的根拠に基づいたプロダクトでありたいと考えています。過去の情報や私のクリニックにおける経験のみを元にするだけでなく、客観的かつ継続的にプロダクトの効果や使いドコロを追求していきます。参考にしている論文・文献は全て紹介すること、そして、私たちも論文投稿をしていくことをお約束します。

溢れんばかりの想いを書き綴っていますが、
感慨深くなって長くなってしまったので読み飛ばしてもOKです…!
私が駆け出しの皮膚科医の頃に比べ、動物の皮膚科診療は大きく変革しました。犬や猫の皮膚病に対する治療薬の開発は日進月歩で、大学病院等の専門施設でなくても、最先端の治療が気軽に受けられるようになりました。近年着目すべきは、犬のADに対して高い効果を有する分子標的薬や抗体医薬の登場が挙げられるでしょう。

一方、私のクリニックの予約は常に一杯(満枠)です。革新的な治療薬の開発があっても、皮膚病に苦しむ動物の数は大きく減ることはなく、中には、遠方から片道5-6時間かけて通院されているご家族もいらっしゃいます。

その理由の1つは、犬や猫の皮膚病の多くは慢性疾患であること。
病態解明の研究は進んでいるものの、根本的に治す治療まではたどり着いていません。例