平戸の大仏|熊谷市に江戸時代から伝わる3.5mの仏像を修復したい!

平戸の大仏|熊谷市に江戸時代から伝わる3.5mの仏像を修復したい!
埼玉県熊谷市の源宗寺には、江戸時代初期に制作された「平戸の大仏」が伝わっています。高さは3.5mほどで、埼玉県内の木造寄木造の仏像としては最大級の大きさ。熊谷市の文化財にも指定されています。昨年の調査で老朽化が著しく、バラバラになりかねない状態であることが判明したため、修復しようとしています。

寄せ合わせたような形になっています。

観音菩薩像の木寄せ構造概略図

経年劣化によってそれら角材の接合が緩んでいることが特に大きな問題で、このままでは将来的にはバラバラになってしまうこともありうる状態です。

像の内部の状態

そのため、当初は本堂の建て直しだけを計画してきましたが、急遽、像のほうもあわせて修復する必要が生じた次第です。
修復について

仏像などの文化財の修復には、高い技術と専門性が必要です。
そこで、埼玉県内含め各地の仏像修復をおこなっており、また今回の大仏の移動作業も手掛けた「吉備文化財修復所」(代表:牧野隆夫氏)に、修復処置をお願いします。

修復は2期に分けて計画しています。
まず第1期では、本堂の完成に合わせて実施し、本堂への移動・再安置までに実施する必要がある、構造の補強などの像の内部の作業を中心におこないます。
つづいて第2期では、本堂に再安置した後で、像の表面の作業や失われている持物(蓮華、薬壺)の復元などをおこないます。
今回のプロジェクトでは第1期の修復を目指し、その主な内容は下記のA~Cです。

A.像の構造補強
各部材の接合が緩んでいる状態なので、接合箇所には接着剤を注入し、像内部に構造材を入れて補強します。

B.像の体幹部と脚部の分離
一般的に大型の坐像(座っている像)は体幹部と両脚部が分離されていることが少なくないのですが、この像は全体が一塊であるために、大変重く移動を困難にしています。
そのため、今後の管理をしやすくするために、構造上の問題がないように配慮した上で、体幹部と両脚部を分離します。
安置する際には体幹部と両脚部がずれないようにだけして、外部から固定しない構造にします。

C.台座と光背の構造補強
台座は老朽化した構造材を取り替えて、補強します。
光背は接合箇所の接着補強をします。

その他の工程も含めて、下記を予定しています。

①修復前記録(写真撮影含む)
②表面清掃(釘釘等の除去含む)
③塗膜剥落止め
④一部解体・剥ぎ目処理
⑤墨書等の記録
⑥補強、内部補強
⑦形状補修
⑧形状補填
⑨組立
⑩矧目処理
⑪表面処理
⑫修復後記録(写真撮影含む)
修復全体の計画と経費について

前述のとおり、修復は2期に分けて計画しています。
主な内容と経費は下記の通りです。

□第1期(本プロジェクト、今年度に実施予定)
主な内容:像の構造補強、像の体幹部と脚部の分離、台座の構造補強
修復費:275万円(うち、熊谷市補助125万円)
不足分:150万円
クラウドファンディング目標額:210万円
(不足分に加えて、調査費、リターン製作費・送料、クラウドファンディング手数料)
※余剰金が出た場合には、第2期の修復や調査の費用にまわし、宗教的な勧誘活動や布教活動には使用しません。

□第2期(2022年度に実施予定)
主な内容:像の表面の作業、持物(蓮華、薬壺)の復元
修復費:370万円
リターンについて

ご支援いただきました皆さまには、お礼に以下のリターンをお送りします。

■平戸の大仏パンフレット
新たに作成する源宗寺のパンフレットです。
サイズはA4の三つ折りを予定しています。

■オリジナルポストカードセット
今回修復する大仏などの3枚1セットのポストカードです。

■修復報告書
大仏を修復する工程の画像や説明、関係内容のコラムなどが掲載された修復報告書。
通常の参拝や鑑賞ではなかなか見ることのできない貴重な内容です。

■支援者様のお名前を和紙に書いて仏像内に納入
大仏の体の内部には制作当初