たものでなく、『誰もが人生の一部として音楽を一生楽しむ為の権利』であると理念を掲げたハンガリーの作曲家・音楽教育家である Kodály Zoltán (コダーイ ゾルターン)の教育コンセプトを今も尚世界中に発信し、体現し続けるコダーイ研究所のような、「音楽を学びたいと願う全ての人々に、音楽学習を届ける事ができる場所」をいつか日本でも作りたいと強く思うようになったのです。
そんな大きな目標への第一歩が、このコロナ渦で新しい選択肢として生まれた本音楽教育プロジェクト【コダーイ研究所Online Labo】でした。
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▼コダーイ研究所Online Labo の歩み
2020年の6月、ハンガリーでの留学生活を1年間配信していた【コダーイ研究所レポート】の執筆を終えた頃、日本でもコロナウイルスによって音楽の活動制限が厳しくなり、多くの人が音楽活動を止めない為にオンラインによる音楽活動を模索していました。
その多くはリアルな音楽活動の一時的な代替案として位置づけられましたが、一方で教育やレクチャーといったある分野においてはオンラインならではの特性や利点を活かした新しい挑戦も生まれました。
そんな2020年8月、私が学ぶハンガリーの教育を始め、いくつかの科目をその道のスペシャリストである先生方と共同で「1年間の音楽教育実験」として実現したのが【コダーイ研究所Online Labo】でした。
音楽を色々な角度から有機的に、そして継続的に学ぶ事ができるよう『月額1,500円』という少額の受講費で下記の合唱音楽に関わる様々な科目を1年間お届けして参りました。
・ソルフェージュ / 和声理論(講師:山口 雄人 )
・日本の合唱音楽史 (講師:戸ノ下 達也)
・楽曲分析 / リハーサル法 (講師:谷 郁)
・声楽レッスン① (講師:佐藤 拓 )
・声楽レッスン② (講師:富本 泰成)
10代の学生から70代の受講生まで、日本全国に留まらず世界中から本プロジェクトへの参加があり、講師も受講生も手探りながら2021年7月に初年度を無事終える事ができました。
そして2021年9月より再スタートする【コダーイ研究所Online Labo】では、これまでの「オンラインによる音楽教育実験」ではなく、今なお続くコロナ渦における合唱界に少しでも貢献できる小さな挑戦と取り組みに一歩足を踏み出したのです。
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▼このプロジェクトで実現したい事・立ち上げた理由
コロナウイルスによって世界中の合唱音楽界もまた大きな感染リスクを伴う活動として大きく取り上げられ、苦難の道を歩む事となりました。
プロ・アマを問わずその被害は甚大で、特に学生合唱団は度重なる学校からの活動中止命令や演奏会の中止、新入生の勧誘制限などによってその存続すら大きく危ぶまれるようになりました。
とりわけ大学合唱団は小・中・高の合唱団と違い、活動のほとんどを学生達だけで運営している為、厳しい制限下で活動のモチベーションを維持する事や団員数の維持が極めて困難になり、多くの合唱団が活動休止に追い込まれました。
そんな中、受講生の約半分が大学生となった昨年度のコダーイ研究所Online Labo。1年の活動を通して様々な受講生から「今まで経験がなかった新しい音楽の世界に触れる事が出来た」、「音楽を考える上での選択肢が増えた」、「早く学んだ事