コロナに負けへん! 経営難のわたりがに料亭を、日本のわたりがに拠点にしたい!

コロナに負けへん! 経営難のわたりがに料亭を、日本のわたりがに拠点にしたい!
日本でも珍しい"わたりがに料理"を扱う専門店として、地方のわたりがに漁の衰退を微力ながら救うべく、コロナウイルスの影響で店内飲食需要が低迷しているこんな時だからこそ、日本全国のわたりがにの鮮度をキープできる生簀を開発し、あまり知られていないわたりがにの魅力を日本やアジアに広めていきたいと思います。

、新しい試行錯誤も毎日行なっていますが、わたりがに専門店としては、まず”仕入れ”と”カニの保管”の心配が8割以上のウエイトを占めている状況を、皆さんにもご共有させていただきます。

2021年7月2日、いろんな方々の様々な声をヒントに、私は、一つの結論に達しました。
(わたりがにが”元の海に返った”と思う生簀を作りたい)

このタイトルの通り、飲食店でありながら、カニが長期保存できる生簀を作ろうと思っています。

今では、大阪湾のカニだけ出なく、魚屋さんや仲買さんのご協力をいただき、日本各地のわたりがにを仕入れるネットワークを構築することができました。

漁師さんが汗を流しながら、必死で獲ってくれたわたりがにを、1匹でも死なせたくないと言う思いでいっぱいです。

現在の仕入れたカニを保管する水槽。創業以来使用しているため、水質管理に難あり。。

そこで、私が目指すのは、普通の生簀ではなく、水の中は海と全く同じ状況の生簀です。

海から水揚げされた時の鮮度の高い状態をできるだけキープさせつつ、カニを死なせないという、言葉に出すのは簡単ですが、実現するには数々のハードルがあるプロジェクトです。

ただ、わたりがに専門店なんて日本でやっているのは私だけですので、水槽や生簀の実例もありません。実績を参考にできれば話は早いのですが、それができない。

辛い現実です。

途方に暮れた私の相談に乗ってくださったのは、ある水槽屋さんでした。

その水槽屋さんは、まず、現在の水槽の状況をヒアリングされ、水槽内でわたりがにが弱る理由の仮説を立ててくださってくれました。

その一つとして、「水揚げされる産地がバラバラのカニを一つの水槽に入れること」でした。

私からしてみれば、衝撃の視点でした。

が、水槽屋さんは続けて、「例えば、大阪湾で獲れたものと愛媛県で獲れたカニでは、その土地の気象状況や海中の塩分濃度、水温も変わる」と提言した上で、「最低限、水の質と水温だけはその産地の温度に合わせるべき」とのことでした。

またまた、衝撃的なコメントでした。

でも、確かにおっしゃる通りかと思いました。

水槽屋さんからヒントをもらった私は、日々連携している魚屋さんや漁師さんの意見も交え、わたりがにの成長に関する研究を続けました。

その中で、ズワイガニやタラバガニよりも、わたりがに自体が海中の温度差の変化に弱いことがわかってきました。どうやら、±3度の変化までは耐えうるが、4度、5度と育った海の水温と異なると、要は居心地が悪くなり、口から養分を吐き出したりする動作があるようです。

これも衝撃でした・・・。

現在の水槽は2つ。水温は18-19度と、高めで設定している。

これらの情報を元に、水槽屋さんは、「仕入れた産地別で、それぞれ異なる海(生簀)を作る。産地が別のカニを一緒にしない。水温もそれぞれ異なる。大阪は17-18度、地方産は15度より低く・・・」と提案いただきました。

水温を別で管理することと、水質を安定させる工夫を凝らし、海そのものの空間を、生簀に置き換えた構造がだんだんと見えてきました。

これらの原点にあるのは、やっぱり鮮度です。

他の種類のカニであれば、冷凍しても食材として成り立つのですが、わたりがにだけは死んでしまうと旨味が消えてしまい使いものにならないと言う高い壁がありますから、冷凍という安心感のあるカードは切れません、

また、ズワイやタラバなどは、極限までマイナスに近い温度で管理しておけば長期保存できるようですが、わたりがにはそれができません