はじめに、新型コロナウイルスにより身体的・精神的にお辛い日々をお過ごしの皆様に謹んでお見舞い申し上げます。
一日でも早く、皆様がまた平穏な日常を送ることが出来るよう心より願っております。
はじめまして、SpiritUs(スピリタス)の代表でGtのKazukiと申します。
海外で音楽活動がしたいという夢をかなえる為、去年までオーストラリアに住んでいました。現地に在住していた頃は、現地人や他国からの留学生と一緒にセッションを重ねながら自身のバンド活動の準備をしていました。また幸運なことに、現地の方と共同で観光事業をスタートさせることも出来ました。
2020年3月、ちょうど最初のお客様を迎えようかと準備にまい進していた頃、新型コロナウイルスによりすべての予定がキャンセルになったとの連絡を受けました。最初は何が起こっているか全く想像もつきませんでした。しかし、お客様の乗る便が次々にキャンセルされていくのを見ているうちに、自分はこの状況下で圧倒的に無力なのだと実感させられたのを覚えています。
バンド活動・自分で立ち上げた事業など、すべてを諦めざるを得ず帰国を余儀なくされました。日本に戻った後も、何もする気が起きませんでした。これからどうやって日々を過ごして良いか分からず、生きる目標がなくなってしまったような状態だったと思います。
そんな中何気なく部屋でギターを鳴らしていると、珍しく母が来て「あんた英語もできるようになって、そんなに練習しているんだからこっちでもやったら良いのに。あんたがプロで演奏しているところ見てみたいよ」と励ましてくれました。母がバンド活動を応援するような言葉をかけてくれたのは、海外で音楽活動をするために語学留学に行くと決め、その後オーストラリアに長期滞在することになってからも一度もなかった事でした。 今までに聞いたことのなかったその言葉に、その場で思わず涙が溢れました。
そして一度は断念した夢でしたが、母の言葉を受けてもう一度チャレンジしようと決意しました。日本人と海外で知り合った友人に声をかけ、音源作りを始めました。派遣として仕事も再び始める事ができ、それまで沈んでいた気持ちや悔しさも消えていくように感じました。もう一度夢に向かって頑張ろうと心から思えたのは、他でもない母の言葉があったからだと思います。
そんな母が自宅で亡くなったのは去年の暮れの事でした。
母は自分が2020年5月に帰国した時点で、すでにガンステージ4の状態でした。しかし、コロナ禍での入院は例え家族であっても面会も難しいという状況では、在宅治療以外の選択肢はありませんでした。ガンが見つかってから約3年間の闘病となりましたが、自分はそのほとんどを海外で過ごしていたのであまり側に居ることが出来ませんでした。最期の時を一緒に過ごせたのは幸運だったと感じています。
私の祖父は母が亡くなる1年前、同じくガンにより他界しています。また現職が福祉関係であるため、同じように闘病生活をしてきた方々、そばで支えてきた方々をたくさん見てきました。自分でも何か出来ることはないだろうかと考えるようになったのは、そんな経験が発端になっているのかと思います。
今回のプロジェクトを始めたのは、そういった思いが根底にあります。音楽は自分が唯一人生を通してやり続けたいと思い、仕事を辞めて海外移住してまでその夢を追い続けてきました。そしてこれからは、バンド活動をガン研究支援などの継続した支援を行うためのライフワークにしたいと思っています。アルバム制作後は、チャリティーライブの開催