. 品質が悪く健康に悪影響を与えている可能性がある
鉄瓶などは直接口にするお湯やお茶を淹れる目的で利用されます。生産国や商標を偽装している製品ですので、生産工程は隠されており、原料である鉄や塗料の健康に関する安全性には大きな疑念が残ります。
3. 保証内容やアフターケアにも問題がある
製造国や製造元が偽装されていますので、保証の範囲や内容などが曖昧でアフターケアにも問題が残ります。
そして、これら3つの問題が南部鉄器全体の評価を落とすことにつながってしまうという現実があるのです。
商標権に関する保護活動
これまで私たちも南部鉄器の商標権を持っている岩手県南部鉄器協同組合連合会などを通じて商標の保護活動に取り組んで来ました。
しかし、中国では組合とは無関係の第三者により一部の区分において”南部鐵(鉄)器”の商標が取得されており、異議申し立てを行い裁判にて争いましたが、8年間にもおよぶ裁判の結果、残念ながら中国で第三者の商標が認められてしまいました。
現在、中国国内では商標権の問題から南部鉄器としては日本から輸出ができません。
つまり、中国で”南部鐵(鉄)器”としているものは日本産ではないものである可能性が非常に高いのです。
問題解決:世界中のお客様にダイレクトに南部鉄器お届けするECサイトを開発する
私たちが抱えている問題を解決するためには、このような不条理な実情を日本語だけでなく多言語で積極的に発信することが必要だと考えています。
しかし、同時にニセモノの氾濫と商標権などの問題は、情報発信だけでは十分に解決できないとも考えています。
そこで、“私たちが直接オンラインサイトを開発して南部鉄器をお客様のもとに届ける” ことで、この問題を解決できると考えました。
これまで私たちは主に百貨店や催事場、国内向けのオンラインサイトを通じて製品をお届けしてきました。その経験やノウハウを活かし、世界中のお客様が南部鉄器の真贋や品質に関する一切の不安なく、安心してご購入をいただけるように及富が責任をもって直接お客様までお届けしたいと考えています。
そのための多言語・越境オンラインサイトを制作するにあたり、クラウドファンディングを利用して皆様のご支援をお願いしたいと思っています。
伝統的な南部鉄器の制作工程
及富では、型作り、鋳造、仕上げ、着色、出荷まで一括生産をしているのが特徴です。
制作工程を動画でまとめています。
型作り
鋳物砂を用いた型の制作にあたる師弟。
地元のクラフトビールブランドの看板を作る様子。30代の職人(左)が70代(右)の師匠から技術を習得している
鉄器の型を作る様子。生型製法と呼ばれる技法。
砂の調合、水分量、細かさを管理し、鉄器の模様一つ一つを再現する
鋳造
湯汲(ゆくみ)に入った鉄を型に流し込む工程。
鉄の温度が製品の良し悪しを左右するため、肉眼で見極めながら作業にあたる。画像の作業者は専務 菊地章
仕上げ
型から取り出した鉄器をヤスリや砥石を用いて、丹念に仕上げていく
着色前の検品作業。水漏れ箇所がないか、目に見えないヒビや割れがないかを検品する
着色
着色、乾燥の終わった鉄器を検品している様子。
品質を保つために各工程での検品が入念に行われる
鉄瓶の着色と乾燥
南部鉄器は大切につかえば、世代を超えて100年以上利用できる道具です。
「祖母からうけついだ鉄瓶、調べたら及富さんの鉄瓶でした。」
「小さい頃にみた思い出の鉄瓶を新品で買うことができて嬉しかったです。」
そんな