者達と戦っていくには、パイロットを含めたメンバー全員が国という単位で団結しなければならないと考えられています。そこで、今大会に参加するにあたって大会に参加するメンバーを集め、前回とは全く異なる、より組織としての繋がりを強めた日本代表チームを一から作り始めました。前述させていただいた通り、熱気球競技で結果を残していくためには、実際に気球を操縦するパイロットだけでなく、チーム全体が連携して競技に取り組まなければなりません。今回の日本代表チームはパイロット、気象チーム、戦略チーム、グラウンドクルーというように、専門ごとに役割を分担してこなす組織構成になっています。メンバーそれぞれが得意な分野を活かすことで、世界に通用するようなチームを作り上げることができると私たちは信じています。
今現在は、大会に向けて日本代表チームの連携をより強固にしていくとともに、その成果を大会で存分に発揮できるように資金集めに奔走しているところです。次のインタビューでは、そんな私たちのチームメンバーのジュニア熱気球世界選手権に対する熱い想いを感じ取っていただきたいです。
メンバーインタビュー
①山下太一朗
人物紹介
京都大学熱気球サークル出身
27歳 気球歴9年目
佐賀出身で、小さいころから気球のパイロットに憧れていて大学で気球ができるところを選んだ
ジュニア選手権での役割:日本代表チームの統括
Q.気球の魅力はどういうところにありますか?
あまりうまく言語化できないんだけど、不自由さにあるのかな~と思っています。不自由さっていうのは横方向からの動力を風に100%任せているっていうことで、他の飛行機とか空飛ぶ乗り物は風に対して舵を切ったりできるけど気球は風に抗えないからこそ、ある意味自然と一番真剣に向き合っているのではないかなと思います。
Q.前回のジュニア熱気球世界選手権に参加した感想は?
自分のなかではあんまり良い手応えがありませんでした。日本メンバーの成績は自分が唯一の入賞で、あとのパイロットは半分以下の順位でした。チームでまとまってやるという意識はあったのですが、個々人はまだ感覚(なんとなく)の範囲でやっているように感じていました。そこから3年間気球競技を通して得た経験や、気球の競技の本質について掘り下げて言語化した上で、今回はより高いレベルを目指して取り組んでいく必要があるなと思っています。
(下段左から3番目。 前回大会の表彰式にて、8位入賞の山下。)
Q.今大会における日本代表チームの戦略は?
もともと気球ってパイロット個人で成績を競うものなので、まとまる必要はないんだけど、今回5人のパイロットとクルーがチームとなって役割分担を行うことで、一人一人の専門性を高めていきたいと考えています。チームとして情報を共有したり、戦略を一緒に立てたりすることで日本全体の底力を上げたいという思いがあります。
大会自体は個人の順位でしか表彰されないのに、なぜ?
何か表彰を受けるために頑張るのではなくて、同じ言語、同じバックグラウンドを持ったパイロットが分業して専門性を高め、日本の気球界の若手の技術力や思考力を高めることで、その姿を見た今大会に参加していない人の気球に対するモチベーションを高めることができたらなと思っています。気球に携わる人を増やすだけではなく、気球に関わる人のエアマンシップ(気球に望む姿勢)を高めてもらって、10年20年続