に「子どもの居場所づくりを考える会 鈴鹿」を立ち上げ、鈴鹿市に児童館の設置を求める署名活動を始めました。
多くの方々にご賛同いただいたおかげで、市内外で14,634筆の署名を集め、今年2月には署名と共に要望書を鈴鹿市長に提出。小中学生が一人でも気軽に遊びに行け、困ったことがあれば児童厚生員に相談することもできる児童館を各中学校区に設置するよう訴えました。
児童館設置について鈴鹿市長との意見交換会についてはこちら
不登校になった途端、当事者である子どもたちは非常に苦しい立場に立たされます。
「みんなと同じようにできない自分はダメな人間だ」と自己否定に陥ったり、周囲からは学校に行けない原因を問われ、「明日は行こう」と思ったものの、当日になると身体が動かず、「怠けているだけじゃないか」という親の視線にさられ、将来への不安や、誰からも理解されない居たたまれなさにイライラしたり、ひきこもったり‥‥。
親は親で、周囲からは「子どもに甘いから」と責められ、「自分の育て方が悪かったのか」と思い悩み、「何とかしなければ」と試行錯誤し、「見守るしかない」と決めたものの、子どもの言動に一喜一憂したり、モヤモヤしたり……。
子育て支援に力を入れている自治体では、子どもたちの多様な学びを支援するために、公立の中学校内に不登校の子がふらっと行けるような「校内フリースクール」を設けたり、無料で通える公立のフリースクールや不登校特例校、中高生向けのプログラムを実施している児童館があったりして、たとえ学校に行けなくても、いくつかの選択肢から、その子に合った居場所を選ぶことができます。
でも残念ながら鈴鹿市では、学校でつまずいた途端、行ける場所がなくなり、社会とのつながりも断絶されやすいのが現状です。
市の適応教室は13時か14時には終わるため、起立性調節障害等で朝起きられない子どもは通えませんし、フリースクールは月3万円以上かかります。
小中学校に一人1台ずつ配備されているパソコンの持ち帰りも認められていないため、不登校の中学生が自宅でオンライン学習をしようにも、タブレットやパソコンを用意できない家庭の子は学習しづらい状況にあります。
担任の先生とも、対面では無理でもオンラインでならつながれるという不登校の中学生は少なからずいると思うのですが、担任の先生と細くつながる機会さえ持つことができません。
不登校の子どもの居場所にも、地域格差、経済格差が如実に表れているのが現実です。
この状況を変えるには、どうしたらいいのか――。
母1人子1人で育った前述のT君は、いじめにより小5の時から不登校になり、中学3年の時に病気で母親を亡くしたため、里親の元で暮らすようになりました。
彼には頼れる肉親は一人もいません。けれども幸いなことに、彼のまわりには里親家庭や「みんなの居場所 ラピュタすずか」の仲間など、彼を温かく見守ってくれる地域のおじさん、おばさん、お兄さん、お姉さん、弟、妹がたくさんいます。
里親に来て2年。なかなか家から出られない日々もありました。今も、イベントなどに参加した翌日は疲れてしまって、動けないこともあります。
それでも最近、やりたいことを尋ねても今までは「特にないっすね~」と答えていたT君から、「外国の人とも話したいから英語を勉強したい」「ゲーム関係の学校に進学したい」といった言葉が聞かれるようになりました。
子どもたち、とくに小中高生を取り巻く環境が不十分な鈴鹿市にあっては、様々な背景や特性を持つ子どもたちのまわりに、“社会的親”や“社