ドを立ち上げられるチャンスはない」と、思い切って挑戦することに決めました。会社創業から30年以上毎日積み重ねてきた技術を全て集結し、納得のいく商品に仕上げました。
~表面、裏面、ダウンの羽毛まで「トリプル撥水加工」~
一番のこだわりは、表面、裏面、ダウンの中身、全てに撥水加工が施された「トリプル撥水」であること。雪が多く寒い岩手の冬でも「家にこもりきりになるのではなく、外で活発に快適に過ごしてほしいという」という小林社長の思いが込められています。
内側にはスマホやコインはもちろん、タブレットなど多機能用のポケットを4カ所に取り付けました。サイズはM、Lの2サイズ展開で、カラーはブラックとダークグレー。ベーシックなタイプのほか、羽毛量を約1.5倍にしたタイプの二つを用意しています。
小林社長は「たくさんの人に助けられてチャンスを頂き、岩手の冬を楽しく乗り切れる高品質の商品ができました。一生懸命作ったものなので、ぜひ大切に着てほしいです」と呼び掛けています。
参加企業③ ㈱京屋染物店(一関市)
~老舗の技が詰まった浴衣とPCケース~
生地のデザインから染め、縫製までを一貫して行うことのできる一関市の京屋染物店。創業102年の老舗は、祭りはんてんや浴衣、手ぬぐいなど、日本の伝統に欠かすことのできない染物の技を守り続けてきました。
しかし、新型コロナウイルス感染症の影響で祭りも軒並み中止となり、売り上げが激減。新しい生活様式になじむ染物を模索する中、その伝統と技を集結した浴衣とPCケースが完成しました。
~自宅でも外出でも楽しめる着心地とデザイン~
祭りやイベントの中止が相次ぎ、浴衣を着ての外出機会が減ってしまいましたが、その分元々の浴衣の役割であった部屋着のように、家の中でも楽しめる浴衣をコンセプトに生地からデザイン。古典柄の「波文様」から着想を得た「結び波紋」は、たおやかな曲線が「永遠」を表し、人々の暮らしと豊かな自然が続くようにとの思いが込められています。手染めだからこそできる優しい色合いが特徴の青緑と蘇芳(すおう)色の2色展開です。
一方、PCケースはテレワークでパソコンを持ち歩く機会が増えたとの顧客の声から生まれました。「火消しはんてん」にも使われる丈夫な刺し子生地は、厄よけや商売繁盛の願いが込められています。
老舗の職人たちが一つ一つ、手作りのバトンをつないで仕上げた、暮らしを彩る道具としての染物。企画・広報担当の庄子さおりさんは「染め物は現代社会ではあまり身近ではないイメージがあるかもしれませんが、扱いも難しくないので、ぜひ気軽に普段の生活に取り入れて欲しいです」と語っています。
参加企業④ ㈱二戸ファッションセンター(二戸市)
~使い道のない綿布と、役目を終えたウルシの木を活用~
縫製工場で廃棄される使い道のない綿布と、漆を採取し終わった後のウルシの木。その木を煮出して作る「漆染め」によって、余った布が新たにアップサイクルな商品に生まれ変わりました。それが「采衣(さい)」の漆染めシャツです。
同社のある二戸市は、古くから国産漆の産地で国産シェア約75%!そんな地域の強みを最大限に生かした商品が「采衣」のシャツです。表皮をはがしたウルシの木は、鮮やかな黄色。真っ白だった綿のシャツも、柔らかな日の光のような黄色に染め上がります。
自然災害、新型コロナウイルスの影響で、衣料品業界はここ数年苦しい状況が続く中、使い道のない生地を有効活用して二戸ならではのものを作りたいとの想いから生ま