ても。
東京でありながら、ゆっくりとした空気が流れ、街のそこかしこで挨拶する人々がいる。
駄々をこねる子供に優しく声をかける素敵なお節介が息づいている、そんな街です。
でも、街の風景は少しずつ変わって来ていて、古い工場が取り壊され、細長い建売住宅が何軒も建ったり、商店街も昔のような賑わいは失われつつあります。
どんなことにも変化はある。だから、その全てが悪いとか嫌だと思うわけでは無いけれど、日本人はこの数十年、一度失くしたら二度とは戻ってこないものを、簡単に捨て去ってきたのでは?そう思わずにはいられないのです。
でも、まだ間に合うんじゃないか。そう思って2019年10月に私たちのARAKAWA ii VILLAGEプロジェクトは始まりました。
「嵐の中の灯台」でありたい
しかし、2019年10月にARAKAWA ii VILLAGEが始動した矢先、COVID-19の感染拡大による緊急事態宣言。人や物の往来が大きく制限を受けて、当然私たちも身動きが取れない状況に陥りました。
日本全体のものづくり産業は大きな打撃を受けており、荒川区でも倒産や廃業が加速しています。
この状況、身をかがめて嵐が去るのを待つのが賢い?
いいえ。
全ての人に開かれた”場”を作る。スクラップ&ビルドの時代が終わり、古くなっても価値があるものを作る人々の支えになる。
その思いでスタートしたのに、こんな事で立ち止まっていてはいけない!
誰しもが不安で、辛さを抱える時だからこそ、未曽有の事態だからこそ、私たちは歩みを止めちゃいけない。小さな灯火を絶やさない。私たちは「嵐の中の灯台」であろうと決めました。
そんな思いで、毎日不安ながらもジタバタと出来る事をやっていく中で、不思議な事に、同じ思いを持つ地域の人々と出会い、その出会いが新たな出会いを生んでいきました。
「1人じゃないよ」と伝えようとした私たちに、色んな方々が「1人じゃないよ」と語りかけてくださる感覚の中。徐々に不安は消え、まっすぐに「今、私たちがやるべき事」が見えてきました。
地域に仲間が増えてきた事で、動き出したこと。
当初から、「地域で連携してイベントをたくさん開きたい!」と意気込んでいた私たちですが、COVID-19の影響で人が集まるイベントの企画は全て白紙状態でした。
イベントを開催するリスクも大きいし、様々な意見がある事も重々承知している。このまま年を越す方が無難だという事は分かっていますが、ARAKAWA ii VILLAGEとして、それが本当に正解なのだろうか?と答えを出せずにいました。
ARAKAWA ii VILLAGEには、秘密基地のようなガレージがあります。
このガレージなら、それなりの人数が入っても密にならないし換気もバッチリ(というよりほぼ外)。
抑圧状態が長く続いてストレスを抱えている地域の方々に、「ほんの少しでも楽しい時間を提供できないかな?」 そんな声かけに賛同してくれた地域のお店や職人さんたちと、昨年の12月6日(日)に ARAKAWA ii VILLAGE初となるクリスマスマーケットを開催しました。
初めての主催イベント、SNSでの集客効果も不透明、住宅街の最奥地で偶然通りかかるという集客はほぼ不可能。という不安要素しかない中で、当日を迎えましたが…
想像をはるかに越える人数のお客様にお越しいただき、誰もが「楽しい!次はいつやるの?」や「荒川区がおもしろくなってきてる気がする!」などの嬉しい声をたくさん聞く事が出来ました。
悩んだけれど、やって良かった。そ