フィリピンスラムの未来を描くアートブックプロジェクト

フィリピンスラムの未来を描くアートブックプロジェクト
「理想の未来」を集めたアートブックで、フィリピンの子ども達の『ポイ捨てが当たり前』を変えるきっかけを作りたい。

スラムの不衛生な環境を変えるきっかけを作りたい。国際協力を学ぶ大学生3人でアートを通じたゴミ問題へのアプローチを行います。

Image from Gyazo

未来を描くアートブック とは、スラムの実際の写真と、ゴミがない未来を描いた絵を一冊にまとめたものです。

素敵なイラストレーターの方々に、それぞれの「理想の未来」を描いていただきました。
「子ども達は、ポイ捨てすることが当たり前 」

「子ども達は、ポイ捨てすることが当たり前になってる。親が教育を受けておらず、そのことを叱らない。」

この言葉を現地NGOで働く方から伺った時、「それは、仕方がないよな」と納得したと同時に、知る機会がないことで不衛生な環境を悪化させてしまうことを、とても残念に思ったのです。

そこで、子ども達がもっとゴミについて知る機会を通して、不衛生な環境を変えるきっかけを作りたいと思いました。
アートブックの2つの目的

① 子ども達がキレイな街を想像すること

スラムにはゴミがいたるところにあり、子ども達にとってはそれが日常です。キレイな街を想像することは、ゴミ問題に焦点を当てるきっかけとなります。

② ゴミのもたらす悪影響を知ること

ゴミは、スラムの子ども達に、実質的な悪影響を及ぼす可能性があります。
このアートブックでは衛生面・環境問題・災害の3つの観点から、ゴミの悪影響をイラストを交えて伝えています。

これらを通して、子ども達がゴミ問題を意識し、さらには行動を変えるきっかけになることを目指しています。

ポイ捨てはどのくらい深刻なのでしょうか。

フィリピン都市部の固形廃棄物の回収率は40%以下!
自治体がゴミ回収を行っているも、家庭ゴミ全体の半分以上が日常的に川や海へ捨てられています。家庭での野焼きも多く、CO2や有害物質の排出が懸念されます。

一方で、回収された約40%のゴミは、一般ごみの焼却を認めない法律により、 ゴミ山にそのまま蓄積されていました。現在では、 そういったオープンダンプ式と呼ばれる処理場は封鎖が進んでおり、有害物質を出さない焼却炉の建設が急がれています。
ゴミが引き起こす問題

・悪臭
・不衛生な環境による皮膚病、呼吸器系の疾患
・ゴミの腐敗と直射日光による自然発火(→低温燃焼により、有毒ガスが発生)
・排水を妨げるため、浸水被害の悪化
・大雨や台風等、災害時の川の氾濫を助長    etc….

はじめまして。中前ちさきと申します。

現在、関西学院大学 総合政策学部で学んでいます。一年前、はじめてセブ島のスラムを訪れました。子ども達の可愛い笑顔と同時に、彼らの住む環境を目の当たりにして、何か力になりたいと駆り立てられたのを覚えています。

本プロジェクトは、同じ学部で学ぶ友人2人と一緒に企画しています。これまで、私たちはそれぞれがスラムでのボランティアや、元スカベンジャー(ゴミ拾いで生計を立てる貧困層)が作る刺繡商品の販売を通じた自立支援活動に参加してきました。今回、フィリピンの貧困層と切り離すことのできないゴミ問題をテーマに、私たちにできることを模索しました。

フィリピンを訪れたことがある方もない方も、日本人がスラムの貧困に目を向ける機会は少ないと思います。今回、素敵なアート作品を通じて、現状を知るきっかけにしていただけると嬉しいです。ぜひ手に取って、フィリピンの現在と未来を、一緒に想像してください!

イラストレーターの皆様をご紹介します!(随時更新)

作成したアートブックは、企画メンバーが訪問経験のあるNG