5 応援メッセージ
2021.1.9、10 ホログラフィートーク長野(専門家研修会)に参加してくださった方々の声
◇トラウマを抱えてしまうような衝撃的な出来事なだけに、なかなか人に打ち明けられなかったり、複数回に及ぶ治療費が壁となって治療に踏み出せない方は多くいらっしゃると思います。また、トラウマを扱ってくださる専門機関も少ない中で、トラウマケアセンターさんはなくてはならない存在であると感じています。これからも応援しています。(Mさん)
◇トラウマケアを希望している子ども、大人は沢山いると思われますが、ケアまでたどり着いていないのが現状です。さらに専門的なケアは高額であるため、受けたくても受けられない方も多数いると思います。長野トラウマケアセンターが長野県内で初となる、どんな方でも専門的なケアを受けられる場所になるよう応援しています。(Sさん)
6 「トラウマ」とは?
「トラウマ」とは、非日常的な恐怖体験(災害、事故、事件)や日常的に繰り返されてきた心身の苦痛を伴う出来事(DV、虐待、離婚、いじめ、養育者との不安定な関係等)を経験することによって、心が傷をおった状態のことです。日頃、口にされるような「トラウマ」より、実は、ずっとずっと重篤です。さらに重症である場合、PTSDという精神疾患になることもあります。
出典:厚生労働省 「みんなのメンタルヘルス PTSD」
7 トラウマに焦点を当てた治療について
トラウマ・PTSDに対して「効果がある」という研究結果のある治療法があります。これらの治療法は、症状を和らげるための対処療法ではなく、トラウマに焦点を当てて治療していく方法です。この治療法を利用するには、専門的な研修・実習を経て、ライセンスを取得した人に限られます。また、このライセンス取得のためにも、臨床心理士など専門的知識と経験が求められることが多いです。ライセンス取得後も個人やグループでコンサルテーション(その治療法のスペシャリストからの指導) や勉強会を続けながら、治療技術を研磨していく必要があります。治療回数は、それぞれの方の状況や治療法によって違いはありますが、多くは15回~25回程度です。治療後は、フォローアップが必要な時は実施します。
8 「トラウマ」は、個人の生活に多大な悪影響を及ぼします!
日常の中には、誰もがトラウマを抱えるリスクがあります。重症化した場合にはパニック状態になったり、トラウマの原因となった人を避けたりその場所に行けなくなったり、生活リズムや感情コントロールの問題が生じます。また、いったん症状が治まっても、適切なトラウマ治療がなされないままでいると、脳や神経にトラウマが冷凍保存され、トラウマが想起される刺激(トリガー)があるたびに症状が噴出することを繰り返す恐れがあります。虐待などの子ども時代のトラウマが、自分が親となり子育てをする時に噴出することも。
9 「トラウマ」を放置することは、社会にとっても大きな損失です!
トラウマが重傷化して発症するPTSD患者のおよそ3分の2はうつ病や物質関連障害(アルコールや薬物への依存など)などを併発することが、研究により分かってきています。「トラウマ」そのものだけではなく併存疾患者の増加については、医療費削減の問題や、就労者の休職や離職の問題と関連してきます。例えば、我が国のうつ病による経済的損失は年間およそ2兆円であると専門学会が提言をしており、日本の経済的損