“これさえあればなモノ”を作りたい。第一弾としてバッグを作りました。

"これさえあればなモノ"を作りたい。第一弾としてバッグを作りました。
細部まできちんと、そしてどこまでも道具としての原点を大事していくことで、存在していることを忘れる位、使い手と一体化して「なじむ」ようなバッグができました。持つ人が自分の生活やスタイルに合わせて、自由にのびのび使えるバッグです。

1968年にスチュアート・ブランドによって創刊された雑誌です。

この雑誌は「身近で使用する道具」をフィルターにして良いモノを長く使う事を軸に構成されています。また、雑誌POPEYEやMADE IN U.S.A、宝島などに影響を与えたとされ、アウトドア、音楽、ファッションの分野に根強いファンがいる雑誌です。

道具としての基本や原点を大事にしたモノ作り。

“欲しいモノが見つけられない” そんな情報過多な今だからこそWHOLE EARTH CATALOGが提唱しているような、道具としての原点にかえり直感的でシンプルで、使っていくと自分になじんでくるような、そんな「これさえあればなモノ」を作りたいと思いました。

身の回りのモノを入れて、当たり前の様になじんで、毎日なんの気なしに使う。

そうして使いこまれていくうちに、自分の手に、体になじんでくる。そんな革のバッグを作りたいと思いました。出かける時に気軽にどこでも連れていける。そんな愛着のわくバッグができました。

どんな洋服や身のまわりのモノにも合わせやすいのが特長です。本来、サイドにある切り換えを真ん中に入ることで、カチッとしすぎず、だけどきちんとも見えるように。そして表からは見えない内側にポケットや金具を付けたことでコーディネートのじゃまにならない仕上がりになりました。

必需品は余裕で入るけど、大きすぎないスッキリサイズにしました。場所やシーンを選ばず、毎回使えるから荷物の入れ替えが最小限で済んじゃいます。それに必要かどうか分からない機能は、あれこれつけないことでストレスなく気持ちいい使い心地になりました。

毎日使うことをきちんと考え、ほどよい柔らかさと絶妙なハリがあり、ひっかき傷が付きにくいイタリアMASTROTTO社の革を使用しています。熟練の鞄職人さんが裏まで丁寧に縫製してくれる日本の工場にお願いしました。

しなやかで耐久性に優れる牛革と肌触りが良く高強度な66ナイロンを使うことにより丈夫で長持ちします。持った時に、かさばらない奥行きですが、取り出し口をしっかり大きく開けることができるので、荷物の出し入れがしやすくなっています。それにフワッと柔らかい感触のハンドルにしたことで、しっくり感のある使い心地の良い様に工夫しました。

あれやこれやと使うか分からない機能をてんこ盛りする必要性って実は少ないんじゃないでしょうか。皆さんも、お気に入りのWEBコンテンツやガジェットだって、直感的でシンプルなモノを好まれると思います。ネットで調べても、情報を比較・仕分けして正確に書かれているかを検証しなければならない現代に「そもそそもこれって何だっけ?」という基本や原点を大事にして、道具として直感的でシンプルで、使っていくと自分になじんでくるような、そんな「これさえあればなモノ」を作りたいと思いました。在宅ワークの他に週に数日だけ出勤する働き方も盛んになったコロナ禍。いつもは身軽に通勤していたけど以前よりPCや書類を持ち運ぶことが多くなったり、プライベートも外出時間を長くとれない分、用事を仕事の合間に効率的にこなさなけりゃいけなくなりました。結果、以前にもましてオンとオフの境目が曖昧になってきたこの昨今、問題なのはバッグの中身の入れ替え問題。これさえあればオンオフどんなシーンでも使えて、荷物の入れ替えを最小限にすることができる。そして、毎日なんの気なしに使っていくうちに、どんどん使い手になじんでくる。そんな革のバッグをつくりたいと思いました。

サブカルチャーや雑誌の分野で語られることが多く