絵本で伝える「震災から学んだこと」後悔する人を1人でも減らしたい。

絵本で伝える「震災から学んだこと」後悔する人を1人でも減らしたい。
「ありがとう」「ごめんなさい」「行ってきます」「ただいま」伝えることができなかった。たくさん後悔したからこそ、自分たちとは同じ想いをして欲しくない。10年前の東日本大震災を経験して伝えたいことを絵本したい。そんな想いで絵本を作成しました。子どもから大人までたくさんの人に読んで頂きたいです。

はじめに・ご挨拶

はじめまして、このプロジェクトを企画した武山 ひかる(たけやま ひかる)です。

出身は宮城県東松島市で、現在は大学2年生です。

2011年3月11日、私は今から10年前の東日本大震災で被災しました。

高校1年生の夏から、「東松島市学生語り部 TTT」

(TSUNAGU Teenager Tourguide of HigashiMatsushima)のメンバーになりました。

今でも様々なところで被災経験のお話をさせていただいています。

活動を続けていく中で、もっとたくさんの人に震災のことを知ってもらいたい、

そして、もう私達のような後悔をして欲しくないという気持ちが強くなり

手描きの絵本を作って、出版しようと決めました。

また、私が絵本制作を始めた経緯については新聞やTVでも扱われています。

その新聞記事のいくつかは検索すると今でも読んでいただけます。

このプロジェクトで実現したいこと

東日本大震災と聞くと、「悲しい」「怖い」「辛い」など、

ネガティブな想いを抱く人は少なくないと思います。

確かに私のそばにも悲しいことや怖いこと、辛いことはたくさんありました。

ですが、それだけではありませんでした。

日本中のたくさんの人が私達を助けてくれました。

絶望的なほど壊滅した町にたくさんの人が来てくれました。

発災当時10歳の子どもだった私が見たことやその時の気持ち、感謝の気持ちなど、ある日を境に「被災地の被災者」になった私たちからのメッセージをたくさんの方に伝えたいです。

この本を読んで、「怖い」「悲しい」といったマイナスの気持ちから

少しでも「たくさんの方と繋がれた」というプラスの気持ちを知っていただけたらと思います。
プロジェクトをやろうと思った理由

私は、10年前の東日本大震災で被災をしました。当時住んでいた家は全壊になりました。

津波が到達するより前に、一度は家族で避難ができていたのに

状況を把握してなかったため家に戻ろうとして津波に車ごと突っ込みました。

地震の揺れから津波到達までの時間差に状況判断の間違いが重なったためです。

私や家族は幸いに人的被害にはなりませんでしたが、避難行動が甘かったり、家に戻ってしまったために亡くなってしまった人はどこの被災地にもたくさんいます。

その当時の私がどうしてもっと強く危ないと言えなかったのか、今でも後悔しています。

東日本大震災に限らず日本は災害が多い国です。

「私達と同じ経験をする人を無くしたい」「被災当時の子どもの心をたくさんの人に知って欲しい」

「支え助け合うことの大切さとこれまでの感謝を伝えたい」という思いが強くなり、

この手描き絵本の制作を決めました。

これまでの活動

高校1年生〜現在にかけて学生語り部として、北は北海道、南は熊本県まで

50件以上の講演要請を受けてきました。

対象は教育機関やボランティア団体、市役所関係、一般の方など多岐にわたり、

様々な方にお話をさせていただいています。

震災の体験談に偏ることなく、震災が子どものこころに多大な影響を与えてきたことについて私の経験や考察を交えた話をしています。

「防災=災害=怖い」と考えるのではなく、楽しく知識を身に着けて

防災に繋がるといいなと考えています。講演ではワークショップや

クイズなどを織り交ぜて、楽しく防災について知ってもらえるように

工夫して活動しています。

高校3年生の時には、絵本の試作段階で手描きの絵本を作成していました。