はじめに・ご挨拶
日本の小児糖尿病患者は約6200人で1型糖尿病小児が約80%(5000人)、2型糖尿病小児が20%弱(1100人)ほどいるとされており、たくさんの子供たちが病に苦しんでいます。1型糖尿病小児は、インスリン注射による治療や血糖値を測定するなどの医療行為を日常的に行う必要があるため、日常生活での制約が多い現状があります。また2型糖尿病小児は、子供であっても遺伝因子と環境因子(食習慣・運動習慣)から肥満がおこり、発症に繋がります。
彼らは、世間からの偏見や誤解を受けることが多く、このことは治療や療育の妨げになるため、正しい病気の理解や周知を本人はもちろん、家族や仲間、学校の先生たちに知っていもらう必要があります。しかし、これまでわかりやすく糖尿病について説明してくれる教育教材を製本化し、広く配布するなどの社会活動は存在しておりませんでした。
私たち(筑波大学医学医療系小児内科、芸術系、内分泌代謝・糖尿病内科、附属病院リハビリテーション部)は、この現状について何かできることはないか?、との思いからチームを組んで、今回このプロジェクトを立ち上げることを決心しました。
なお本プロジェクトは、茨城県糖尿病協会からの応援を受けた取り組みです。
このプロジェクトで実現したいこと
私たちは、
医学の力:(医師)
芸術の力:(芸術家)
コメディカルの力:(セラピスト)
を結集させ、糖尿病の子供たちに役立つマンガをつくることにしました。
このマンガは、子供たちに1型および2型糖尿病がどのような症状によって発症するのか、どのような治療が必要なのか、どのようなことに日常で気を付けるべきなのか、などについて、わかりやすく説明を行います。
このマンガは、1型および2型糖尿病の子供たちの現状を理解できるように、健康な子供たちも理解できる内容にしたいと考えています。
完成したマンガは、1型糖尿病のサマーキャンプ、地域の小中学校などで無償配布し、子供たちの糖尿病の啓発に貢献したいと考えています。
プロジェクトをやろうと思った理由
1型および2型糖尿病の子供たちは、社会や友達、学校の先生などから、様々な誤解を受けて暮らしていることが多いです。
例:甘いものは絶対に食べてはだめ、運動はしてはいけない、修学旅行には行けない、体育の授業は休んでください、など
このような誤解を解消するため、医療者が正確で分かりやすい教育教材を作り、そしてそれを製本化のうえ多くの子供たちに読んでもらう必要性を強く感じています。
これまでの活動
私たちは、医療と芸術の連携を目指し「グルッシーコラボレーション」という取り組みを8年前から開始しています。その活動の一部を下記にてお示しします。
○啓発教材(漫画冊子)の作成
私たちは、2年前、小児向けの2型糖尿病の発症に焦点を当てたマンガ(漫画冊子、第一弾)を、医療法人八千代会の支援の下5000冊作成し、つくば市内の全ての小中学校、小児科に無償配布しました。また現在、筑波大学附属病院代謝内分泌内科に糖尿病療養目的で入院した患者さんに無償配布されています。
※今回の企画で作成するマンガは、この発展形となります
○啓発教材(動画)の作成
1. https://www.youtube.com/watch?v=i3C3Hms1djY&t=11s
2. https://www.youtube.com/watch?v=y8r5xlgL6cU
3. https://www.youtube.com/watch?v=V-n2-