コロナで売上8割減…伝統工芸品救済プロジェクト発足|彦一こま

コロナで売上8割減...伝統工芸品救済プロジェクト発足|彦一こま
大量生産・大量消費の中で廃れていく伝統工芸品の数々。そうした問題に加え、コロナ禍での観光客減少によって売り上げがさらに落ち込む苦しい状況に…。「工芸家の皆さんの力になりたい!地元の伝統工芸品を何としてでも後世に残したい!」そんな思いで活動している高校生たちの思いを受け取ってください!

はじめに

こんにちは!

このプロジェクトをご覧いただきありがとうございます。熊本県立熊本高等学校の山縣翔子(やまがたしょうこ)、漆島優海(うるしまゆうみ)です!

私たちは地元・熊本県の伝統工芸品を世に広める活動をしています。

【何としても地元の伝統工芸品を後世に伝えたい ーこの活動を始めたきっかけー】

小さい頃から何気なく触れていた地元の伝統工芸品。その歴史を知るにつれ、魅力に惹きこまれていきました。さらに職人さんたちに実際にお話を伺う中で現在の苦しい状況を知りました。ただでさえ後継者不足などに悩まされ、伝統が失われつつある工芸品の数々。それに加え、コロナによる観光客の激減によって売上は80%も減少。そうした状況にとても胸が痛み、職人さんたちの力になりたい!何としても後世に伝統工芸品を残したい!そう強く思うようになりました。

そして今回、クラウドファンディングを通じて日本全国の皆さんに伝統工芸品の魅力、そして職人さんたちの現在の状況をお伝えできればと思っています。

今回紹介するのは愛らしいビジュアルの郷土玩具『彦一こま』です。

【県内でも高い評価を得る職人技とその独創性】

一見かわいらしいタヌキの置物に見える彦一こま。

実は笠・頭・胴体・台座の4つに分解でき、それぞれをこまとして楽しむことができます。実際に私たちも遊んでみると夢中になってしまいました!

この4つのこまは全て手作り。片手に乗るような小さいパーツを轆轤(ろくろ)で成形し、ひとつひとつ色塗りをしています。この高い技術力は熊本県内でも高い評価を受けています。

昭和27年には熊本県主催の郷土展で最高賞の知事賞を受賞。さらに昭和54年には熊本県の伝統的工芸品に指定され、熊本県を代表する玩具となりました。

眞彦氏がひとつひとつ丁寧に制作している彦一こま。皆さんも是非昔ながらの玩具を楽しんでみませんか?

【息子の熱い思いによって引き継がれた郷土玩具】

「彦一こま」が初めて制作されたのは昭和22年頃。工房の創業者 井芹勉氏によって考案されました。地元の大地主であった勉氏ですが、戦後の農地解放によって苦難な状況に陥ります。轆轤技術を持っていたことをきっかけにこま作りを生業とするようになりました。そして生まれたのが「彦一こま」。モチーフとなったのは地元八代の有名な民話『彦一とんち話』に登場するいたずらタヌキです。

現在は勉氏の息子であり、2代目の井芹眞彦氏によってその伝統が受け継がれています。眞彦氏は、34歳まで横浜で会社員をしていました。しかし、高齢になる父親に跡継ぎがいないことをきっかけに熊本に戻ります。「父を助けたい。何としても父の技術を後世に受け継ぎたい。」という思いから独学でこま作りを始めたといいます。轆轤を使いこなすまでに10年もかかったそうですが、現在の工房には手作りの機械や道具が並び、眞彦氏の努力の成果が伝わってきます。

制作者の井芹眞彦氏

【コロナウイルスの伝統工芸品への影響】

現在新型コロナウイルスが流行していますが、その影響もありお客さんが激減。売り上げが例年の2,3割程になったそうです。この苦しい状況をきき、とても胸が痛みました。こうした状況や彦一こまの魅力を少しでも多くの皆さんに知ってもらうことが工芸家の方の支援につながると思います。トレシェアの活動を通して「少しでも工芸家の方の力になりたい!1人でも多くの皆さんに情報が届いてほしい!」そんな思いで活動しています。皆さんのご支援をお待ちしております!

【熊本県伝統工芸館について】