はじめに~大活字本を知っていますか?
ぺんで舎は山口県下関市に拠点を置く、版元です。
昨年起業したばかりの、駆け出しでもあります。
長く愛されてきた日本近代文学の小説、夏目漱石、太宰治、宮澤賢治、芥川龍之介ら文豪の作品を大活字本にして刊行しています。
大活字本とは、視力が弱い人にも対応するために、通常よりも大きな文字(12~22ポイント)や大きな判型を用いた本のことです。図書館に行けば、たいてい大活字本コーナーが設置されていますが、その数、種類はまだまだ少ないのが現状です。
なぜ文庫サイズ?
大活字本は、大きな活字で作るため、大判(A5判が主流)で、ページ数も多くなってしまうため、どうしても重い本になりがちでした。
もっと手軽に、気軽に、大活字本に親しめる世の中になってほしい、そんな思いで、昨秋、文庫サイズの大活字本「シルバー文庫」の刊行をスタートしました。
1冊あたり140~160グラム程度。
一般的なスマホよりも軽いくらいです。
大活字本をバッグに入れてカフェや公園へ行くこともできます。
刊行をスタートしてまず、実際多くの人の手にとってもらおうと、全国各地の数百の図書館に『坊っちゃん』上巻を進呈しました。
多くの図書館司書さんより、「これはいい」「こういう軽い大活字本が欲しかった」と大変好評をいただいています。弱視の方だけでなく、老眼で読書にストレスをお持ちだった方にとっても、この本の軽さは大きな魅力なのです。
シルバー文庫について
シルバー文庫のカバーデザインは、その名を受けてシルバーインキで上品に仕上げた統一デザインです。これまで3作品4冊の本を刊行しています。
2020年9月刊行 夏目漱石の『坊っちゃん』上・下巻
2020年12月刊行 太宰治の『走れメロス』(ほか3編収録)
2021年3月刊行 宮澤賢治の『注文の多い料理店』(ほか4編収録)
そして、今年6月には、芥川龍之介の『杜子春』(ほか数編)の刊行します。
ぺんで舎1
周年記念プロジェクトとして
ぺんで舎は今年の秋で1周年を迎えます。
これまで、文庫サイズのちいさな紙面に大きな活字を置くという性質上、比較的短編の作品を刊行してきましたが、当然、名作には長編のものもあります。
そのひとつが、夏目漱石の『吾輩は猫である』です。これは日本人ならほとんどの人が知るタイトルでもあります。この名作をぺんで舎1周年記念プロジェクトとして、刊行することにしました。
けれど、この長編作品をシルバー文庫で刊行するには、全5巻になることは必至。
5冊の一挙刊行は駆け出しの版元としては苦しいというのが正直なところです。
そこで「みなさんの力を借りよう!」と、今回初めてクラウドファンディングで資金を募ることにしました。
このプロジェクトで実現したいこと
大活字本が、より多くの図書館や施設、視覚特別支援学校など、さまざまな場所に所蔵され、読書バリアフリー(※)に少しでも貢献できればと願っています。プロジェクトが成功したら、全国に約50ヶ所ほどある視覚特別支援学校に『吾輩は猫である』全5巻を寄贈します。
図書館や施設の所蔵だけでなく、老眼で読書にストレスを感じる世代の方々へのプレゼントにも大変よろこばれています。電子書籍も多く流通している昨今ですが、まだまだ紙の本で読書を楽しみたいという声はたくさんあります。名作は何度読んでも、読む年齢によって、読み味が変わり愉しめるものです。ご高齢のお父さんお母さん、おじいちゃん、おばあちゃんへのプレゼントにもおすすめです。
このプロジェクトを通して、一人でも多くの方に大活字本と、その存在価値を知っていただきたいと思っています。
※読書バリアフリー法の推進について
読書は、教養や娯楽を得る手段のみならず、教育や就労を支える重要な活動であり、障害の有無にかかわらず全ての国民が読書することのできる環境を整備していくことが必要です。しかし、現実には、視覚障害者等が利用可能な書籍等はいまだ少なく、図書館におけるサポー
トも十分ではありません。こうした背景を踏まえ、第198回国会において「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律」(読書バリアフリー法)が成立し、令和元年6月28日に施行されました。
本法律に基づき、障害の有無に関わらず、全ての国民が等しく読書を通じて文字・活字文化の恵沢を享受することができる社会の実現に向けて、視覚障害者等の読書環境の整備を総合的かつ計画的に推進していきます。
(文部科学省ホームページより)
資金のつかい道について
①2021年秋刊行の夏目漱石『吾輩は猫である』全5巻の制作費・印刷費として。
②各リターン品の発送費として。
③目標金額に達した際には、『吾輩は猫である』全5巻 を、全国約50ヶ所ほどある視覚特別支援学校へ寄贈する発送費・諸経費としてつかわせていただきます。
リターン品について
6種類のリターン品をご用意しました。
1)1000円のご支援→ お礼メール
ぺんで舎より心を込めて、お礼のメールを差し上げます。
2)2000円のご支援 → お礼のお手紙&ぺんで舎特製ねこキーホルダー
ぺんで舎特製ねこキーホルダーをお送りします。
(8月発送予定)
3)5000円のご支援 → お礼のお手紙&大活字本1冊&ぺんで舎特製ねこキーホルダー
大活字本は『走れメロス』をお送りします。
(8月発送 予定)
4)10000円のご支援 → お礼のお手紙&大活字本3冊&ぺんで舎特製ねこキーホルダー
大活字本は『走れメロス』と『注文の多い料理店』と『杜子春』をお送りします。
(8月発送 予定)
5)20000円のご支援 → お礼のお手紙&大活字本5冊&ぺんで舎特製ねこキーホルダー
大活字本は『吾輩は猫である』全5巻をお送りします。
(12月発送 予定)
6)30000円のご支援 (10名限定)→ お礼のお手紙&大活字本10冊& ぺんで舎特製ねこキーホルダー
お礼のお手紙と、 大活字本『坊っちゃん』上・下巻『走れメロス(ほか3編)』『注文の多い
料理店(ほか4編)』 『杜子春(ほか数編)』 『吾輩は猫である』全5巻をお送りします。
(12月発送 予定)
※2)~6)まですべて送料込みとなります。
最後に…ぺんで舎代表より
ぺんで舎は、文学書の「出版」を展開すべく誕生した、山口県下関市に拠点を置く、小さな事業者です。けれども、小さな事業者ではありますが、大きな志を持っています。
現在の日本は、科学の発展に比べて、文学が停滞しているように思われます。たとえば、ノーベル文学賞受賞者は、川端康成と大江健三郎の二人の小説家のみで、詩歌人にいたっては皆無です。
しかし、短く設定しても1500年に及ぶ、日本の文学の歴史は豊かです。明治文学だけでも、夏目漱石・森鴎外・与謝野晶子・石川啄木と、個性と普遍性を兼ね備えた、作家・詩歌人は枚挙にいとまがありません。
ぺんで舎は、科学と同じように、文学もまた継承発展すべきものと考えます。先に挙げた文学者たちの作品はもちろん、今後も読まれるべき文学、あるいはこれから読まれるべき文学を、新しい形で、世に送っていきます。
もし現代の文学が、停滞どころか、ときに耳にするように衰退しているなら、ぺんで舎が志向するのは、「文学の復権」にほかなりません。
ぺんで舎代表 佐々木 龍
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。