【人吉の秘密基地構築プロジェクト】 昭和レクイエム

【人吉の秘密基地構築プロジェクト】 昭和レクイエム
初めて来た人でも、どこか懐かしく感じられるお店。また、唯一無二のマニアックな部屋がある居酒屋として、大事にしてきた当店も豪雨災害により壊滅的な被害を受けました。単なる「再建」ではなく、より進化しパワーアップした「レクイエム」となって、心から楽しめる場所、漫画や映画のファンが集まれる秘密基地を創るぞ!


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【人吉の秘密基地構築プロジェクト】 昭和レクイエム
4 ~ 5 分
●はじめに

こんにちは。熊本県人吉市で飲食店「もつ鍋・しゃぶしゃぶ昭和」の代表を務めております、鈴木創(はじめ)と申します。

当店は、築50年以上の古い建物を生かした昭和レトロな店内で、温かな料理とサービスを提供できるように心がけ、精一杯営業して参りましたが、新型コロナの影響で大きな打撃を受け、さらに令和2年7月の豪雨災害により人吉の多くのお店が被災し、当店も設備や思い出の品ほぼ全てが紛失・損壊してしまいました…。入り口を入ってすぐ。カウンターは最大6席。

3階建ての建物、丸々2階分が浸水。

店舗目の前の郵便局から。※友人提供(7/4 AM8:00頃)

人吉では本当に多くの家屋や事業所が被災し、復興にはまだまだ時間がかかります。本当にまだまだです。実際に、自分が被災したことで、現実はこんなにも厳しいのだと痛感しました。

単に復活をするのではなく、店主が子供の頃から大好きなジョジョを始め、映画やアニメについても語り合える、みんながワクワクする秘密基地のような場所として生まれ変わります。
●私のことを少しだけ

私が、料理の仕事に就こうと思ったのは、亡き父の言葉があったからです。小さい頃から、家で料理を手伝っていた私に、「料理人になれ。」と話していた父。大人になり、しばらく別の仕事をしていましたが、ふとした時にその言葉を思い出し、「手に職をつけるのもいいな」と思い、飛び込んだ料理の世界。まだまだ修行も経験も未熟で、悩むことも沢山ありますが、知れば知るほど、登れば登るほど、際限なく上が見えてくる世界に、プレッシャーと共に言いようのない喜びも感じています。

忙しさの中で、つい忘れてしまいがちな「人に喜んでもらうこと」という原点。
コロナ禍での、営業時間短縮や経営改善をしていくなかで、そんな気持ちを思い出し、これから自分のお店を創り上げていくぞ!と思っていた矢先での水害。
どこか現実味がないまま、5か月以上たちましたが、やっぱり諦めるわけにはいきません。
●これまでのお店の特徴

当店は、熊本県人吉市で唯一の年中もつ鍋が食べられる居酒屋として2012年から営業してきました。

正面から見た外観。

2年ほど前から作り上げた自慢の部屋。大好きな作品を、ファンと語り合える場所。2年ほど前からは、子供の頃から大好きだった作品に特化した趣味の部屋を作り、「熊本でファンが語り合える場所を」という想いで唯一無二の場所を作り上げていきました。原点に返り、居心地のいい空間を創っていこうとしていた矢先での水害。

自慢のもつ鍋。スープは5種類。
鉢盛り(オードブルの一例)

提供する料理は、個人経営である小さなお店の強みを生かし、特定のメニューにこだわらず、出来るだけお客様のニーズに合わせて柔軟に対応してきました。
小さな子供連れでも入りやすいお店として喜ばれていたと思います。
●豪雨災害で

しかし、7月の豪雨災害で、我が目を疑う酷い状況に…。貴重な複製原画や資料、お客様との思い出なども水没!

店内に入ってすぐ。

昔から集めてきた本やポスターも無惨に。

途方にくれ、涙も出ませんでしたが、とにかく目の前のことに対応することで精一杯でした。
業務用冷蔵庫も横倒しになり、厨房の中にも入れない状態。大事にしていた趣味の部屋にも、汚泥が20センチ以上。
●人の優しさへの感謝

そんな状況の中、被災直後からSNSを通じて、全国から多くの支援をいただきました。
たくさんの