ました。
同じく文藝春秋社から刊行され、当時ベストセラーになった前作『学歴無用論』(1966年)から3年。
『学歴無用論』での反響を受け、自身の考えがどのように進化していったかを見つめ直し、そこから得た経験や考え方を、新たな時代を築いてゆく若い世代への力強いメッセージとして書かれており、『学歴無用論』と合わせて読むことで完結する内容となっています。
さらに当時のソニーがどのような企業努力を重ねてきたのかについても触れており、ソニーを世界企業に成し得た考え方(イメージづくり・価値づくり・ブランドの大切さ)が盛田昭夫氏の経験や実績を元にしっかりと語られているので営業のかたや経営者の方々にも参考になる内容となっています。
読む方によって響く箇所が異なる本といえるでしょう。
『新実力主義』の著者である盛田昭夫氏は、ソニーの創業者の一人であり、ソニーを世界的ブランドにした人として有名ですが、「先を読む力」や「強い好奇心」「人並み外れた行動力」があったからこそなしえた偉業でした。
経済人、経営者としてユニークな人物となったひとつの答えとして、愛知県常滑市小鈴谷の盛田家本家の長男だったという事実があります。
愛知県常滑市小鈴谷にある盛田本家
盛田家は代々、小鈴谷一帯をとりまとめていた旧家であり、盛田昭夫氏は十五代当主、盛田久左エ門になります。
代々酒造業と味噌業を営む盛田家は、「ミツカン」創業家や「敷島製パン(Pasco)」創業家との血縁も深く、「起業精神」「アイデア精神」に溢れた家柄で、盛田昭夫氏も幼い頃から十五代当主としての教育を受けていました。
その辺りについて詳しくは、弊社既刊本『情熱の気風』をお読みいただくとよくわかって面白いです。
常滑市名誉市民の称号も得ている知多半島の偉人、盛田昭夫氏とその妻良子氏の「人となり」を紹介する記念館「盛田昭夫塾」が昨年オープンしました。
ここでは、造り酒屋の当主でありながらソニーを創業した盛田昭夫氏の背景や、三省堂書店創業者の孫として育ち、日本を代表するビジネスマンの妻として務めあげた良子氏の人生が紹介されています。
今年、生誕100年にあたる2021年には様々な記念企画が開催されています。
盛田昭夫氏の記念館「盛田昭夫塾」
この塾の入場券やツアーが、クラウドファンディングのリターン品に入っております。
盛田昭夫氏および盛田昭夫塾に関して、詳しくは以下をご覧ください。
盛田昭夫公式サイト https://akiomorita.com
2016年に父、木原信敏の絶版本『ソニー技術の秘密』の復刊クラウドファンディングをはじめたことからこの活動がはじまりました。
その後、盛田昭夫氏の著書『学歴無用論』、二宮隆雄氏の著書『情熱の気風』とこれまで3回の復刊クラウドファンディングをおこなってきて、どの活動も無事に目標金額を達成し、出版することができました。
それぞれのAmazon販売リンクは以下になります。
『ソニー技術の秘密』
『学歴無用論』
『情熱の気風』
過去の作品を復刊するには様々な問題があり、あきらめる場合も多いのですが、本来であれば埋もれてしまい、読むこと