的機能を衰退・消滅させてはいけないとの想いから、翌2000年(平成12年)に地域の退職者を中心にボランティアで棚田の保全活動を開始しました。
2001年(平成13年)から首都圏の中高生による田植え手作業などの「農作業体験学習」を受け入れ、近年は年間約1,000人もの生徒さんの来場がありました。
2006年(平成18年)から導入した「棚田オーナー制度」では、自分で棚田米作りをしてみたいという都会住まいの個人・ご家族・グループの皆さんに棚田オーナーになっていただき、春の「お田植えまつり」や秋の「稲刈りまつり」に参加していただくとともに、収穫されたお米の一部をお送りしてきました。
また、各種受け入れを行うにあたり稲倉の棚田には休憩所やトイレ、駐車場がなく不便でしたが、行政の支援を受け『稲倉の里農村交流館』という建物と駐車場ができ、観光客の方にも来ていただける体制が整い、近年は春から秋まで各都市からの観光バスが毎日来場して賑わうようになっていました。
2016年(平成28年)には上田市柳町にある岡崎酒造(株)と共同で「酒米オーナー制度」を開始しました。春から稲倉の棚田で岡崎酒造さんとともに酒米を田植えして収穫し、翌年3月に搾りたて生原酒をオーナー専用瓶に酒蔵で瓶詰体験をして持ち帰れるという全国に類を見ない制度で、かつてない貴重な体験ができるとお酒好きの皆さまに大評判となりました。
2017年(平成29年)から、全国先駆けで、春と秋に活用されていない棚田の田んぼ内にテントを張る『棚田CAMP』を開催するようになり、公開一週間で予約がいっぱいになるほどのイベントとなりました。
また、2019年(平成31年)から、年間を通して多くの方にキャンプ楽しんでもらうために、稲倉の棚田が一望できる場所にキャンプサイトを設置しています。
稲倉の棚田を地域ボランティアで維持保全していくための運転資金は毎年ギリギリで、
お米が不作の場合は銀行から借入をしてしのいできた現実があります。
また、天気に左右される農業の宿命ですが、昨年は収穫量がとても少なくなってしまい、
棚田オーナーへの返礼米を減らしていただいた上でも販売する棚田米はなく、大減収となりました。
さらに追い打ちをかけるように、
2020年以降は2年連続で体験学習バスや観光バスが新型コロナにより全てキャンセルされ、
棚田オーナーの来場も自粛となってしまいました。
しかし、観光事業の法人や商店と異なり、
“任意団体”である「稲倉の棚田保全委員会」には政府や自治体からの補償は全くありません…。
今年も銀行借入を増やしてなんとかしのごうとしていますが、正直なところ、
このままでは棚田の保全活動を続けることが困難な状況になって来ました。
今年は首都圏の棚田オーナーの皆さん方が6~7月の草取り作業に来ていただくなど、
大変助かりました。
このように今まで多くの方に関わっていただいた、
この素晴らしい『稲倉の棚田』の保全活動を存続していきたいという想いがあります。
そこで、今後どのようにして皆さんに来ていただける
持続可能な『稲倉の棚田』を作っていくかを考えました……
私たちは『稲倉の棚田』の活動を持続可能にしていくには、
「営農」だけでなく「多くの方が楽しいと感じ来てくれる体験環境」が大切だと考えました。
来ていただいた方に単に棚田を眺めるだけにとどまらず、実体験として
・お米の成長と尊さを感じてほしい
・人と自然が共存する棚田の大切さを知ってほしい
・子どもも親も、家族が安