「カナリア・ネットワーク全国」を結成して「香害は公害」の声をひとつに! 

「カナリア・ネットワーク全国」を結成して「香害は公害」の声をひとつに! 
柔軟剤・合成洗剤・消臭剤などの香料や添加剤により、化学物質過敏症の発症ほか、就労、就学、地域生活が著しく困難な健康被害の声が全国からあがっています。しかし、その声はひとつにまとまらないまま、一般にはほとんど知られていません。新たな空気公害への理解を求め、被害を食い止めたい!

はじめまして

私たちは「香害」被害者が共同代表や事務局を務める【カナリア・ネットワーク全国】世話人グループです。

まずは、共同代表の青山和子(「CS憩いの仲間」主宰)、斉藤吉広(元稚内北星学園大学学長)からのメッセージをご視聴ください。

柔軟剤や合成洗剤などの香り、微量化学物質で健康被害

共同代表の青山は、シックハウス症候群によって化学物質過敏症を発症。斉藤は、車に設置した消臭剤により、体調憎悪が起こるようになりました。二人とも、きっかけは異なりますが、以後柔軟剤や合成洗剤などの身近な香料をはじめとする微量な物質によって、日常生活を脅かされています。

2021年3月斉藤は「稚内北星学園大学学長退任の最終講義」をしました。テーマは「公害としての『香害』」です。

最終講義はYouTubeで共有され、たくさんの方に視聴されました。現在は、講義の書き起こしを共有しています。最終講義『公害としての「香害」』

この講義の視聴者からは、じつに沢山の方からメールやお手紙が届くなど、斉藤自身この反響に驚きを隠しきれませんでした。

香害をはじめ微量な合成化学物質による被害者、化学物質過敏症の人たちの暮らしは過酷です。

自宅や職場では、他者の柔軟剤臭や、わずかな清掃の薬品などであっても、その空気を吸えば体調が急変。電車などの公共機関を使うことにも、体調憎悪の苦痛を伴います。

学校や勤務先、行政と交渉をしようにも、多数の人は香料入り商品を身にまとっています。これは、私たちにとっては、花粉症の人が花粉の舞い散る杉林の中に入ったり、卵のアレルギーの人がそれを口にすることに等しいのです。

人によっては、そんな生やさしいものではない、という訴えもあり、健康被害は個人差が大きく、また多岐にわたります。

症状の一部として、目、鼻、口内など粘膜の炎症、痛み、発疹、痺れ、頭痛、嘔吐、倦怠感、動悸、胸痛や筋肉痛、血圧の上昇、激しい腹痛などがあります。香料や反応する微量な物質から離れても、数時間から数週間その症状が長引くこともあります。
なぜ、健康被害がでているの?

たとえば、香料物質の話で例えると「え!? でも、そんなに香ってはないと思う」「神経質な人が気にしているだけでしょ?」という人も多いでしょう。そこで、日本の近年の「香料生産量」を見てください。

2009年から2017年の8年間で、香料生産量は約1.7倍になっています。

家の中や町には以前とは比べものにならない香りが漂っています。しかし、人間の嗅覚(きゅうかく)の特徴で、多くの人は同じニオイには数分で慣れてしまいます。強いニオイには感じないようになるのです。

さらに、柔軟剤や合成洗剤の多くには以前にはなかった「香り長持ち」の技術が加えられています。

目にはみえない微細な素材(マイクロカプセルなど)を使って、香料を包み込むのです。

このマイクロカプセル(マイクロビーズともいわれます)は、空気中に漂うだけではなく、服や髪など、あらゆるものに貼り付く性質があります。

そして、ちょっとした刺激や体温の上昇によって壊れてはじける特徴をもちます。そのときに、香りが空気中に出てくる仕組みです。

それは「繊維の奥まで入り込む」ことから、刺激がなければ何週間も何年も、香りの粒が残ることになります。それが「香り続ける」と宣伝される理由です。

柔軟剤利用時の1回の規定量には、1億カプセルが入っているとも宣伝されています。1個のマイクロカプセルは、花粉くらいの大きさで、それが壊れるとPM2.5サイズともいわれ