【学生×伝統産業】町家再生プロジェクト 八女の自然と町並みを守る店舗を作りたい!

【学生×伝統産業】町家再生プロジェクト 八女の自然と町並みを守る店舗を作りたい!
【伝統の町】福岡県八女市福島の伝統的建造物群保存地区にある築153年の古民家を再生し、天然素材インテリアショップ(伝統工芸・家具・敷物)を開業します。学生インターンと『八女のいいとこ守り隊』を結成し、八女の魅力を探り、伝統工芸や空き家、自然環境などの課題解決へ向けた取組みにも貢献する店舗を作ります。

体です。災害防止のためにも環境整備が必要です。

実際、鹿田産業も2018年に水害を受けました。幸い「すだれ織機」の被害は少なく、伝統が途絶えることはありませんでしたが、材料のほとんどが使えなくなり、苦労したことを思い出します。

大雨による被害がここ数年で起きていることを考えると、荒廃竹林が二次災害をもたらすことも考えられます。

そのことからも、継続的に竹林整備を行うことが、地域を守り、伝統工芸品「八女すだれ」を守ることにもつながると考えています。
〇「八女のいいとこ守り隊」の活動 -白壁の町並み編-

それでは、学生たちにバトンを戻しましょう!

私たちは、八女福島の白壁の町並みを散策しながら、空き家や景観保存地区の町家について聞き取り調査を行いました。この白壁の町並みを築いたのは田中吉政という大名なのだそう。

江戸時代には城下町として栄え、奥八女の自然を活かして、農作物や工芸品の材料を八女福島に集まるように物流の拠点とし、現在の町並みの基盤ができたそうです。

しかし、現在はところどころ倒壊の恐れがありそうな町家が目立ちます。この地域は伝統的建造物群保存地区に指定され、簡単に取り壊しができないそうです。

かといって、改修するには莫大な費用がかかるので、持ち主の方も何もできずにいるようです。

なぜこの地域が伝統的建造物群保存地区に指定されたのかも「横町町家交流館」でお聞きしました。

白壁の町並みの危機は、昭和後期から経済成長とともに、地方から都市部へ人が流れたことにより、八女福島の町並みの空洞化が始ったことでした。そして、さらに追い打ちをかけたのが1991年に2度、北部九州を襲った大型台風でした。崩壊した煙突はこの被害によるものです。

被害に遭った町家は、修復をあきらめて、解体を余儀なくされて、通りに空き地が目立つようになったそうです。

この災害を契機に、この貴重な町家を残していきたい!と有志が集まり、町並み保存運動が始まり、まちづくり活動が進んでいきました。

そして、2002年5月には国の重要伝統的建造物群保存地区の選定を受けたそうです。

実際に白壁の町並みを歩くと、建物から伝わる暮らしが見えてくる気がします。そんな町並みの魅力や課題を地域の方に教えてもらいました。

まず訪ねたのが明治20年代から大正2年まで郡役所として使用されていた「八女旧郡役所」です。

こちらで「朝日屋酒店」を営む高橋康太郎さんにお話を伺いました。

この建物は、平成8年から空き家となり、平成27年に改修をスタートし、2年後に酒屋として営業を始められました。高橋さんはNPO法人「八女空き家再生スイッチ」の理事長でもあります。

「八女旧郡役所」は建物が大きいため、改修には莫大な費用がかかるので、壁塗りワークショップなどを開催し、工夫をしながら皆さんで少しづつ改修を進めているそうです。

「この建物が持つ雰囲気を大事にしたい!」という想いで空き家活用を始めたそうです。

酒屋の奥の大ホールでは、展示会やライブ、映画上映会など様々なイベント会場として使用されています。

改修・維持は大変だけど、この「場所が持つ力」「空間が持つ力」が人と呼び、出会いが生まれ、交流の場となることが喜びだとおっしゃっていました。

だからこそ、「伝統的な建物を残したい!」という想いで、空き家再生活動に取り組まれています。私たちもこの建物が持つ雰囲気に力を感じました。

次に、八女茶の名付け親とされる矢部屋 許斐本家「このみ園」の御当主、許斐健一さんにお話を伺いました。