白川郷・明治創業の小さな宿の大きな夢、『お客様のために館内にお風呂を作りたい』

白川郷・明治創業の小さな宿の大きな夢、『お客様のために館内にお風呂を作りたい』
世界遺産・白川郷にある創業130年以上の老舗旅館・城山館。もともと館内にあったお風呂場が15年前に雪害によって壊れて以来、今日までお風呂場のない旅館でした。館内にお風呂があることは宿としての必須条件ともいえる今。売上がない中での大きな投資に覚悟がいりましたが、皆々様のご支援を力に実現させてください!

はじめに・ご挨拶

世界遺産・白川郷にある「味と心の宿 城山館」、四代目館主の松古卓也(マツフル・タクヤ)と申します。創業130年以上、重要伝統的建造物にも選定されている歴史と由緒ある4組限定の小さな旅館を、妻、長女夫婦、長男、次女、三人の孫たちと家族で切り盛りしています。(写真右から3番目が私です)

「館内にお風呂を作りたい」・・・宿としては当たり前のことですが、お風呂が長い間なかった私たちにとっては長年の夢でございました。少し長くなりますが、このプロジェクトへの想いを書かせて頂きましたので、一読頂き私たちの想いが、皆様に伝われば幸いです。
私たちの地域のご紹介

まず簡単に私たちが暮らす白川郷と城山館の紹介をさせて下さい。

岐阜県大野郡白川村の荻町(おぎまち)は、大小100棟以上の合掌造りが残っている山里です。今でも人々はそこで生活を営んでいます。日本の原風景のような美しい合掌集落が評価され、1995年には富山県の五箇山とともに、ユネスコの世界遺産に登録されました。

近年では知名度の向上と交通網の整備によって国内外から年間170万人もの観光客が訪れる人気観光地となっております。日本の古き良き文化を守り・継承しながら、皆で協力して頑張っている村です。

そして、私たちの営む城山館は世界遺産に登録されている合掌造り集落内にあります。創業は明治末期で、現館主の私で4代目になります。

(写真は昭和20年代の当館の様子)

現在の外観はこのようになっており、文化的価値の高い重要伝統的建造物にも選定されています。

スタッフは全員、私の家族がやっているので、家族ならではのあたたかなおもてなしと、手前味噌ですが私が創る日本料理が自慢の料理旅館となっております。

当館では「白川郷の魅力を少しでも伝えたい!」との想いから、私がガイドをつとめる観光ガイドツアーを毎日開催してきました。もう18年目になります。「普通に観光していたら分からないことを知れて良かった!」と好評をいただいております。(残念ながらコロナ禍の今は三密回避のため、ツアーは中止させて頂いておりますので、ご了承下さい)

また、地元で採れた食材を出来る限り堪能して頂きたいとの想いから、当館のお食事には、お米、エゴマ、飛騨牛、岩魚、ニジマス、こんにゃく、漬物、りんご、油揚げ、豆腐、ネギなど、たくさんの白川村や飛騨地域で採れた食材を使用しております。

上の写真が夕食でA5等級の飛騨牛ステーキをメインとした会席料理、下の写真が朝食で自家製の朴葉味噌焼きをメインとした野菜豊富な体に優しい和食となります。

当館にお泊りの際は、ぜひともお召し上がり下さい。

味と心の宿 城山館【公式サイト】
今回のプロジェクトの経緯

どうして、今のコロナ禍による不安定な経済情勢の中で、大きな出費となるお風呂工事をを行うのか。そもそも、旅館にどうしてお風呂がなかったのか。今回のプロジェクトをご理解頂くためには、この説明からさせて頂きたいと思います。
①ずっとお風呂のない旅館だった 

もともと当館には小さいですが下記の写真ようにお風呂場があり、お客様にはこのお風呂をご利用いただいておりました。

しかし、さかのぼること15年前の冬、その年は例年以上の大雪となり、お風呂場を覆いつくすように雪が積もりました。

(写真は今年の冬の大寒波による大雪の様子。これを超えるような大雪でした)

その結果、風呂場は雪に押しつぶされて壊れてしまい倒壊。浴室だけの雪害ならまだ良かったのですが、浴室の下にあるボイラー設備もすべて雪