日出国パミールから奈良へ「秘められたシルクロード タジクの黄金遺宝」日本語版発刊

日出国パミールから奈良へ「秘められたシルクロード タジクの黄金遺宝」日本語版発刊
「シルクロードの主役」はペルシャ系のタジク・ソグド人。8世紀に「シルクロード」の歴史舞台は消えたが、日出国中央アジアのタジキスタン共和国と日本は時空をこえてつながる。唐招提寺にペルシャ人住職。高松塚壁画の女性衣装はソグドの宮廷衣装、現代タジク女性の民族衣装。秘められたシルクロードがわかる日本初の出版

ェクトをやろうと思った理由

私は小学校の頃から、隣接する海の向こうの大陸に憧憬を抱いて成長した。高校二年生の時川越駅前の書店で「シベリアの歴史」(紀伊国屋書店)を手に取り感動した。10年後大阪のメディアの記者だった時できたばかりの国立民族学博物館に赴任してきた「シベリアの歴史」の著者加藤九祚先生(特定非営利活動法人ユーラシアンクラブ名誉会長)に面会、以来、加藤九祚信奉者として活動してきた。

今回取り組むことになった「秘められたシルクロード タジクの黄金遺宝日本語版」は、元タジキスタン共和国外務大臣で前駐日タジキスタン共和国特命全権大使だったハムロホン・ザリフィ氏が企画執筆したこの本は、A4版460頁総カラーで、これまでに、世界の10か国の言語;タジク語、ロシア語、英語、アラブ語、中国語、ペルシャ語、フランス語、ドイツ語、トルコ語そしてスペイン語で発刊されており、日本語版は11か国語目の出版。

 【本書の構成、図版点数】 図版点数は500点以上。A4番460頁。この本の目次は、「日本語版序言 オクサスの遺宝 11頁、シルクロード 15頁、細密画 21頁 金属加工 28頁、陶器 20頁、彫刻 20頁、タジクの芸術作品 16頁、絵画 20頁、カンバス油彩画 30頁、建築装飾 46頁、アラバスターとガラス 12頁、夏の家(東屋) 16頁、石器 4頁、宝石デザイン 13頁、女性宝飾 23頁、民族衣装 16頁、刺繍 26頁、金刺繍 14頁、頭飾りと履物 12頁、綿織物の製織と印刷 14頁、楽器 14頁、さまざまな民族工芸 7頁、タジクの美術工芸 12頁、これまでの翻訳出版等を内容とする、1冊3.5キロの豪華本です。

 「秘められたシルクロード タジクの黄金遺宝日本語版」には、服部英二・元ユネスコ事務総長顧問(大シルクロードプロジェクト企画実施責任者、加藤九祚先生を顕彰する会代表幹事)と田中哲二・中央アジアコーカサス研究所長(元日銀国際局参事、キルギス共和国大統領経済顧問、加藤九祚先生を顕彰する会代表幹事)、日本を代表するソグド語・ソグド文化研究者である吉田豊・京都大学名誉教授(英国学士院客員会員)による書評が掲載されています。この本を通覧すれば、中央アジア各国で現在目にする文化遺産、シルクロードの文化遺産の多くが、サーマーン朝に遡り、ペルシャ系のタジク・ソグドの文化に系譜を有することが理解でき、日本の歴史文化遺産との関わりを理解するヒントがカラー画像の中に大量に含まれています。例えば日本で、シルクロードの音楽や楽器と言われる文化も西突厥やサーマン朝に遡りペルシャの音楽が波及した結果であるとの再評価に至るでしょう。アジアの音楽史でソグド人が果たした役割については大野遼が「チンギスハンがいなかったら誕生しなかった江戸歌舞伎」(ネット公開連載アジアの眼)ですでに紹介していますが、その一端を大野遼の「別冊特集」で捕捉解説しています。

 この本は本来、2016年9月12日、ウズベキスタン共和国テルメズ市の仏教僧院遺跡発掘中に倒れ、逝去した加藤九祚国立民族学博物館名誉教授(特定非営利活動法人ユーラシアンクラブ名誉会長)が監修するはずでしたが、駐日タジキスタン大使館で監修を快諾した後2か月後に亡くなったため、私大野遼(特定非営利活動法人ユーラシアンクラブ会長)が遺志を継承し、在京の大手出版社に働きかけましたが、「タジク」「ソグド」では採算が取れないと断られ、特定非営利活動法人が、既にあった翻訳テキストの一部再翻訳、校正、購入予約者、出版協力提供者に手作業で届け