MIRUIプロジェクトVOL.23|仏具の技で作るくらしの道具をひろめたい

MIRUIプロジェクトVOL.23|仏具の技で作るくらしの道具をひろめたい
仏具の製造者として、50年後、100年後まで使い続ける“ものづくり”に励んできた山梨仏具が職人の技と仏具デザインをベースに普段使いの暮らしの道具作りに挑戦します。丹精込めて作られた道具は、それを使う何気ない時間を豊かに時間にしてくれるそんな力を持っています。

いです。
3:よい“ものづくり”は よい“暮らし”づくり(なぜ仏具屋が日常品を?)

山梨仏具が茶托をはじめとする日常使いの道具を製造するに至ったのは、
私たちが物作りに込める信念がきっかけになっています。

前段でも述べましたが、私たちは“ものづくり”は、それを使用する時間を作りだすことだと考えています。

何度もデザインを繰り返し理想の形(曲線)を作り出していく

仏壇作りで言えば、私たちは彫刻のついた木の箱を作ってきたわけではありません。
仏壇作りを通して「手を合わせながら故人を思う時間」や、「落ち着いて自分自身を振り返る時間」を持つきっかけを家庭の中に作ってきました。

制作を行う過程の中で常に、ものが使われる時間を念頭に置きものづくりに向き合ってきました。

山梨仏具のはめ込み仏壇 設置場所に合わせ寸分の狂いなく納める

例えば、平成になって間もない頃、私たちが先んじて家具調の仏壇作りを始めた時もそうでした。
今までに作ったことのないものを作り上げようとした時、一番大事にしたのは、向き合う時間を保つことができる最小限の大きさとデザインに作りあげることでした。

洋風なお家に合わせるだけ、サイズを小さくだけではいけない。
日々の中で目を閉じて手を合わせる特別な時間を確保できるような形、サイズにするために、何度も試作を重ねました。

中小企業グッドデザイン静岡 受賞作品 家具調仏壇「妙 tae」

この時に生まれた「妙」(たえ)という仏壇は、今でも根強く多くのお客様にご愛顧いただいております。

よいものづくりは、日々の生活に豊かな時間をもたらしたり、日々の良い習慣を作ってくれる。
私たちはそう確信しています。

日々の習慣に影響を与えるものを作り続けてきた私たちだからこそ

もっとできることがあるのではないか・・・生意気かもしれませんがそう思うのです

その思いを胸に「普段使いの道具を作る」という新しいチャレンジに辿りつきました。

これまで培ってきた技術と仏具由来のデザインの力を持って良いものを作り続ける。その第一弾として前述の茶托(ちゃらく)を企画いたしました。

水分を補給するだけならペットボトルのお茶で済むことですが、お茶を飲む時間はそれだけではないはずです。

大切なお客さまを迎えるおもてなしの心であったり、家族でお茶を飲みながら囲む時間であったり、私たちの日常の中で意味のあるひと時になっているのではないでしょうか。

忙しい合間にできたちょっとの時間を特別な時間にするもの、誰かを迎える時に道具で持ってもてなす気持ちを加えたい・・・・そんな想いをこの茶托を作ること、そして使っていただくことで実現したいと思っています。  

4:日常の中で大切にしたい時間を彩る工芸品(リターン品に関して)

今回の日常使いできるリターン品は、一つ一つ大切にしたい時間や価値観を思い浮かべながら企画し、我々が仏具製造で培ってきたデザインと職人の技を感じていただけるものづくりを行いました。

どれも自信を持ってお出しできるものですので、ぜひ手に取っていただき、皆さんの大切な時間を更に楽しんでいただければと思います。

<リターン品>

 茶托(漆) 人を迎える時間を楽しんでもらえるように /挽物(ひきもの) 漆

 茶托(けやき) 人を迎える時間を楽しんでもらえるように /挽物(ひきもの) 

 牛、馬 先祖を迎える、故郷で集まる時間を大切にしてもらえるように/木彫

 パン皿 食べる時間をもっと楽めるように    /挽物(