【ご挨拶】
○自己紹介
皆さんこんにちは。そして初めまして。金世一(キム・セイル)と申します。
私は俳優・演出として創作活動を行う傍ら、俳優の演技トレーナーの仕事をしています。
韓国の釜山生まれで、大学で演劇・映画を専攻し、地元で創作を行っていました。
2003年から活動の主な拠点を日本に移しました。今は東京、京都、福岡と釜山、台北などを行き来しながら活動をしています。文化芸術国際交流事業も手掛けていて、東京では<韓国新人劇作家シリーズ>そして釜山と福岡を演劇で結ぶ<HANARO project>のコーディネーターも務めています。
演出:金世一(キムセイル)
〇皆様にお願いしたいこと
この度は2021年9月4~5日に上演される『水の駅』(太田省吾 作/金世一 演出)の製作費の調達のためにクラウドファンディングを始めることになりました。このファンディングに皆様のご協力をお願いしたいと思います。
2019年4月、私が主宰している劇団世 amI(セアミ)の劇団員と一緒に釜山に渡って釜山市立劇団の定期公演として『水の駅』を上演しました。私は演出を、世 amIの劇団員は釜山市立劇団員と一緒に俳優を務めました。ありがたいことにこの作品が好評を得てポーランドで上演できる機会を得られました。
ここに製作システムを一転して福岡発信版『水の駅』を創作する運びとなりました。コロナ禍で今年のポーランド公演は来年に延期されましたが、福岡におけるオーディション・ワークショップで集まった俳優の皆さんと共に来年のポーランド公演へ向けての第一歩である福岡公演の幕を開けるために励んでおります。
今年の9月に『水の駅』が無事に幕を開けられることによって、来年、東ヨーロッパの演劇の聖地とも言われるポーランドにおける福岡発信版『水の駅』公演を成功させることができます。福岡から作られた舞台が世界に向けて発信できるよう皆様のご関心とご協力をお願い致します。
2019年釜山公演より
〇なぜ「福岡」なのか?;ローカルからの発信
演技トレーナーの仕事で全国の俳優の皆さんに会ってみると東京で活動をすることを目標にしている方が多いことが分かります。地元では仕事の機会も少なく、俳優としての成功を収めるためには、少なくても一人前の俳優になるためにはやはり東京に行かないといけないからだそうです。この考え方は韓国も同じで皆ソウルを目指します。釜山で活動をしていた私はこの点に関して常に疑問を覚えていました。中央に対する憧れそのものに疑問を持つわけではなく、なぜ地元での活動にはモチベーションを持てないのだろうか、どうすれば地元で創作活動をすることでやりがいを感じられる環境づくりができるのだろうかという疑問でした。そこで私が思いついたのは福岡と釜山の都市間交流でした。釜山からだとソウルよりも地理的に近い福岡に仲間を作ろう、そして互いの作品を紹介しあえば海外公演になるだろう。人的交流を行えば福岡の俳優と釜山の俳優が一緒に舞台に立つ機会も増えるだろう。それに都市と都市が、文化と文化がつながることによって、様々な文化資源が発掘されるなど多方面においてシナジー効果もでるだろう。そういう希望と夢を持って始めたのがHANARO projectで、コロナ禍に入る前まで6年間続けてきました。
アニメや和食などの日本の文化は世界的に知名度が高いです。映画やK-POPを最前線に立たせた韓国の文化の世界に向けた発信も、後を絶たないで続いています。政治的かつ経済的に安定期に入った東南アジア諸国の発展も近年著しさを