、ハーブたっぷりのクルディッシュサラダが並ぶ頻度が異常に高まったことも静かに受け入れ、
ラーメンや唐揚げが一番好きなのに、ピーマンに見知らぬ穀物が詰められた煮込み料理が突然登場しても「これ結構うまい」と美点を見出していました。
一方の私は、「飲食店やればええと思うけどなぁ」という彼の言葉をずっとスルーしてきました。
でも、「これからどう生きていきたいのか」という問いに二人で向きあった時に、「クルドも融合させればええやん」と夫から改めて言われ、それが初めて具体的なプランに結びついたのです。それが、ラフマジュンでした。
「ええやん!ラフマジュンやろう!あれは美味い!」
中東、といえば、多くの日本人の中に大きな心の壁があり、「戦争とかテロとかいつも起こっていて危なそうなところ」というイメージで片付けられてしまうことが多いでしょう。「クルド語をやってる」というだけで、活動家だと思われることもあります。
料理についてはどうでしょうか。中東料理といえばケバブ!あとは、ヴィーガンに人気のフムス!それから・・・?ではクルド料理は?
フレンチやイタリアンや中華は私たちの日々の食事の選択肢として普通に存在しているのに、「中東料理」といえばマニア向けの色物的存在、というのが現状だと思います。
たくさんの情報が得られるのに、たいていどこへでも旅行できる世の中になったのに、中東は日本からまだまだ遠い!戦争とケバブのイメージしかないなんてもどかしい!あんなに素敵な人たちが暮らしていて、豊かな文化があって、美味しい料理がたくさんあるのに!
思い返してみれば、私の中にも中東に対する心の壁は確かにありました。それを木っ端微塵にしてくれたのは、人々との濃密な交流と食卓を囲む温かい経験でした。
私の中の偏見が溶け、関心が呼び起こされ、人生が大きく変わったのです。
トルコ・ガズィアンテプ
イラク・ドホーク
そんな経験を自分の中だけに留めるのではなく、誰かと共有できる場を作りたい。
とびきり美味しいラフマジュンも、現地で食べて美味しかった料理や友人から習った家庭料理も、美味しいワインも、全部全部みんなに紹介したい。
そんな思いを丸ごと詰め込んで、このプロジェクトのスタートを決断しました。
現在営んでいるゲストハウスは、施工してくださった工務店さんや職人さん、これまでに利用してくださったお客さん、皆さんのおかげで、スタイリッシュさと心地よさ、温かさが共存する絶妙な空間へと育ってきました。
私たち夫婦が住み込みということもあり、自宅に招いているような感覚で、「気軽に、肩の力を抜いて、自分の家のようにくつろいでほしい」という思いでお客様をお迎えしてきました。
その空気感を、これからオープンする飲食店でも受け継ぎたいと思っています。
だから、既存の中東料理レストランのような、現地の雰囲気を存分に感じられるオーセンティックな内装が施された「特別な場所」ではなく、皆さんにとって「日常的に訪れたい場所」になるように、居心地の良いカフェダイニングのような店を作ります。
チグリス川・ユーフラテス川流域で育まれてきた食文化を、隅田川沿いのこの気持ちの良い場所で、たくさんの人に楽しんでほしいです!
私たちの新しい挑戦に、どうか皆さんのお力を貸してください!
本プロジェクト発足に際して、特に大きな刺激を受けた3名の方から「応援コメント」をいただきました。
1人目は、世界初の「パクチー料理専門店」を作り、日本にパクチーブームを起こした人。この人に出会って以来、私の中で