はじめに・ご挨拶
はじめまして、本プロジェクトにご興味頂きありがとうございます!
京都 宇治で日本料理店を営んでおります「京料理・抹茶料理 辰巳屋」の左(ヒダリ)と申します。この宇治の地でお茶の問屋から料理屋へと転身し私で8代目となります。創業は1840年、1912年にお茶とお菓子を振る舞うところから飲食への道に入りました。茶処宇治ならではのお料理とおもてなしを常に追求し、すべてはご来店頂いたお客様に特別な時間を提供し喜んでいただけることを信条として、女将やスタッフのみんなと日々精進しております。
https://uji-tatsumiya.co.jp/
宇治市健康づくり・食育アライアンス 副代表
プロジェクトの背景
様々な分野でIT化が進み平成から令和に移り変わったこの時代の中で、食を取り巻く環境にも大きな変化が見え始めています。すべてがデジタル化され、いつでもどこでも欲すれば満たされるこの社会。空腹を満たすだけの意義の希薄な食生活が定着しつつあります。本当にこれで良いのでしょうか。
新型コロナウイルスの影響により、ますます毎日の食生活が偏ったものとなり、食への探求心も削がれてしまい、本来の食がもたらす恩恵を見失ってしまいそうな危機感を感じています。「一汁三菜」「節句事」「ハレとケ」のような伝統的な日本の食文化をコロナなんてもののために失うことは誰が何と言おうとおかしいことです!このまさに食の緊急事態がいつの間にかノーマルになってしまわないように。
また私たちが住む京都府宇治市には、これから発展途上の食材がたくさん眠っています。全国区である「お茶」のイメージが強すぎますが、可能性に溢れた食材がいくつもありそれらを後押しするためにも街の地産地消を促進していかなければなりません。
本来の「食」のカタチを取り戻すために、まずは地元宇治から発信したいと考えております!
私は、20歳から料理の道に入り今年で23年目となります。20代の頃は、神戸や金沢などに、ただただ我武者羅に料理の腕を磨きたいと修行に出ておりました。もちろん今もその気持ちは変わりません。しかし、宇治に戻り家業を継ぎ10年が経ったころ新たな想いが込みあげてきました。
それは、「辰巳屋」だけのことを考えていてもなかなか前へ進めない。この宇治の街全体を良い方向に持っていけることは出来ないかな。それには、まず何が大切なのかな。そう、それはきっと、「人」そのものなんじゃないかな。「人」と「人」を食で繋ぐことが出来れば、みんなHAPPYになれるよな!と。
先輩たちから教わった調理技術や理論、そして料理人のあるべき姿を心に留めて、平成27年からこの宇治の街で食育活動に力を入れて参りました。コロナ前までで、宇治市の22ある小学校、10ある中学校すべてにおいてではありませんが、5割程度の学校で食育の授業を行うことが実現しています。これからも食育には今まで以上に頑張っていくつもりではありますが、この経験から気づいたことがあります。
それは、子供たちや保護者を含むほとんどの方たちは、本当の「食」の素晴らしさを実感できる環境が極端に少ないのではないだろうか。もっと「食」に対してストレートに向き合う気持ちを持ってほしい。
50年後を見据えて今から考えておかないと「食」の未来は不安しか残らない!
先ほども申しましたが、この宇治の街にはお茶以外にも野菜を中心に素晴らしい食材がたくさん存在します。それを地域の方々と盛り上げて、お茶に続く全国区の食材を作っていきたいという大きな目標もありま