ここに集う人はたんなる「利用者」ではありません。
地域の困りごと、気になること、支援したいこと、活躍したいことなどを把握する掲示板
手話ができる参加者がみんなに手話を教えたり、
絵手紙を趣味としている人が絵手紙教室を行ったり、
造園業者の方に庭木の剪定を教えていただいたりと、
皆さんお持ちの特技を生かして、ともに教え合い、学び合う、「学び直し」の場にもなっています。
また、さらに各毎月1回、介護者のためのケアラーズカフェともいき、ひきこもりの親の会[茶話会]なども開催しています。
これらの活動が広く認知され、令和3年3月には富士宮市社会福祉協議会主催で、高齢者が苦慮している庭木の剪定に関する実習・講話も来迎寺で行われました。
生活支援担い手養成講座 実習
生活支援担い手養成講座 講話
■プロジェクトのビジョンと今後
来迎寺カフェでは、地域づくりとして以下の「5つの場」の運営を目指しています。
①息抜きの場所
・ケアラーズカフェともいき 毎月第1水曜日(介護者の悩み、不安などを話す場)
・ひきこもりの親の会[茶話会](ひきこもりや不登校の悩みなどを一緒に考え、ホッとできる場)
②相談の場所
・フリートーク・フリータイム
(子どもから若者、地域高齢者の日常生活の相談に応じる場、実態を把握する場)
③健康増進の場所
・フレイル予防教室
(家庭菜園で作った農作物を直接販売し、誰でもが買い物に訪れることができる場)
④食の確保場所
・子どもと大人の食堂
(食育を推進し、一人親家庭や生活困窮者、独居高齢者など孤食を減らし、食を通じた交流の場)
⑤学び直しの場所(リカレント教育の場所)
・ともいき講座
(来迎寺カフェに訪れた方が講師となって、専門技術の話や体験を提供する場、得意分野の披露、誰でもが活躍できる場)
現在、ケアラーズカフェともいき、ひきこもり親の会[茶話会]、ともいき講座、フリートーク・フリータイムは開催されていますが、これらを継続して運営するだけでなく、今後さらに発展させ、健康増進の場所、食の確保の場所としても機能するよう、活動の幅を広げていきたいと思います。
■現在の課題
ここまで、来迎寺カフェの取り組みをご覧になって、順調に進んでいると思われるかもしれません。しかし、居場所として環境面で整えなければならないことがまだまだあります。
諸堂宇(本堂・庫裏・物置)は再建することができました
建物こそありますが、境内地は未整備で、雨が降ると足元がぬかるんでしまいます。お寺の玄関には手すりもありません。またバリアフリーの仕様にもなっていません。誰でも気軽に立ち寄れる居場所と謳っておきながら、残念ながら実際には来る人を選ぶ場所になってしまっています。
富士宮駅から片道徒歩50分、バスは平日一日3本、最寄のバス停から坂道15分と、山間にある田舎のお寺への交通手段は車が基本となり、車がなければ大変です。
参道から境内の急坂境内入口の急坂
玄関と本堂入り口
来迎寺カフェには、60代から70代以上のご年配の方々が多くいらっしゃいます。
現在の砂利道、坂道では身体にご負担をかけてしまっているだけでなく、雨が降ると足元が悪くなり、危険な状態です。
また、足の不自由な高齢者と一緒にご家族が車でお越しになった際も、舗装されていない境内地では、車いすを使ったりすることが難しく、誰もが気軽に立ち寄れる場所とはなりえていません。
「健康増進の場」としては、こういった環境面を整えることは喫緊の課題です。
また、「食の確保の場所