、地元和歌山の素材を活かしたバウムクーヘンやフィナンシェ、マドレーヌ、クッキーなどの焼き菓子が中心です。これに加えて店舗ではKANOWAのお菓子製造や農産品一次加工を担当している福祉事業所独自の商品も販売していきたいと考えています。
福祉事業所の商品は、なかなか日頃出会う場が少ないかもしれませんが、ポップコーン、バウムクーヘン、パン、サブレ、切干大根、タケノコのおつまみなど、個性的で良質な商品がたくさんあります。
オープンする店舗ではそういった商品とともに和歌山の農家さんや和歌山の食品メーカーさんとのつながりを生かし、通常は加工にまわしている「傷があるだけでおいしい」こだわりの果実や、和歌山県下の質の高い食品も提供できるのではないかと思っています。
他にも、各事業所さんで持っているポップコーンや焼き芋の機械で店の中に屋台を出してもらったり、パンの移動販売車に来てもらうなどができればと思っております。
思い描くのは、コミュニティの中の楽しい場所になりたいということ。
福祉に貢献!なんて堅苦しく考えるのではなく、あそこに行けば楽しいよ! おいしいものがあるよ!という風に、ゆるゆるといろんな世代で楽しめる場所が作れたら何よりです。
現在、和歌山市西庄で友人が営む店舗の1階がKANOWAの配送基地になっています。もとよりそこに商品はあるという利点を活かし、実店舗はここからスタートすることにしました。
僕は、20年前に和歌山市内にオープンした「スイーツとパスタのお店 シエスタ」の創業者です。 チーズケーキが楽天市場の総合ランキングで1位となり、メディアでも多数取り上げていただきました。
僕が得意とするのは、スイーツや食品の商品企画プロデュース・コンサルティング・営業活動です。自分の得意を活かした仕事に特化した活動をしたいと思い、7年前に株式会社コンフォートを設立しました。
KANOWAの軸には「福祉の世界を支援する」という想いがあります。
そうなったきっかけは息子の自閉症でした。
12年前、当時3歳だった息子が自閉症と診断されました。同じ境遇のお父さんたちといつも話題になったのは、支援学校高等部を卒業した先に待っている、子どもたちの将来のことでした。子どもが幼稚園児の歳の時に、高卒後のことを話すわけです。「息子を受け入れてくれる所はあるのだろうか」「自分が先立ったあと息子はどうなるのか」という不安は、当然僕にもありました。
そんな中で、社会福祉法人一峰会のアドバイザーをさせていただく機会を得ました。お付き合いの中で見えてきたのは、福祉の世界の限りなき可能性でした。
息子が支援学校を卒業した後にお世話になるであろう福祉の世界が、楽しく幸せな場所であることを願いながら、仕事に取り組んでおります。
(小学校卒業時にSNSで綴った息子へのメッセージです)
さまざまな想いがあるからこそ、コロナ禍の中で傾いたKANOWAを存続させることは、僕にとっての命題でした。お陰様で生レモンケーキがヒットし、ネットショップを立ち上げたことで、お客様の声が直接聞けるようになり、新たな可能性を感じました。
お客様に直接お会いしてお話しし、もっといろんな商品を見ていただきたい。そのために実店舗がほしい。そう考えた時に、ずっと倉庫として使っている場所があり、商品もあり、仕事を手伝ってくれている友人などの人材もいて、自分の近くにできる状況や人が揃っていることに気づいたんです。
シエスタから始まったこれまでの20年、和歌山の食関係の方たちとの出会いがたく