会に一緒に参加させてもらいながら、その場でどんどん話を聞くスタイルで実施しました。
その後も、車椅子ユーザーとお店で一緒に商品を見ながら話を聞いたり、座談会を開催したり、SNSで気になった人にDMを送って質問させてもらったり、SNSを使った大規模アンケートを実施したりと、色々な方法でヒアリングを重ねました。
気がつけば2018年から昨年までの3年間で、800人を超える障害や病気を抱える方々にヒアリングを実施していました。
そしてヒアリングを重ねていく中で、「障害や病気を抱える人々の服の悩みを、自分が根本的に解決したい」という思いが、自分の中にだんだん芽生えるようになりました。
考え抜いた結果、昨年末にユニクロを退職しました。
正直、会社員という安定した生活を捨てることへの不安からしばらくは迷いましたが、最終的に「挑戦しなかったら、後々必ず後悔する。それだけは絶対にしたくない」「挑戦する以上はライフワークとして取り組みたい」という思いと、「特定のブランドの枠の中ではなく中立的な立場の方が、自分が理想とするアプローチで活動できるはずだ」という考えに行き着き、好きな会社だったユニクロを退職して独立起業する道を選びました。
ユニクロ在職中には、SNSや肢体不自由児を持つ親御さんなどから大きな反響をいただいた「子供用ボディスーツ」の商品化など、数々の貴重な経験をさせていただきました。
最後まで暖かく送り出してくれたユニクロには、大変感謝しています。
2. 解決したい社会課題
次に。
私が、今回のプロジェクトで解決したい社会課題についてお話しさせてください。
これまで私がたくさんの障害や病気を抱える方々にヒアリングをしてきた中で、断トツに多かった悩みが 「服選びにおいて、一般的な人と比べて圧倒的に選択肢が少ないこと」です。
注:個人差が大きいため、あくまでイメージです
今回のプロジェクトでは、この課題を根本的に解決したいと考えています。
そもそも、服選びの際に障害や病気を抱える人々の選択肢が非常に少ないのは、「着られる服の中からしか選べない」ことが原因です。
世の中にある全ての服が選択肢になる一般的な人と違い、障害や病気を抱える人々は入り口段階に存在している 「着られる服かどうか」の制約によって、その先にある 「デザインや色の好み」 の選択肢が特に極端に限られてしまいます。
それによってオシャレを諦めてしまう人も少なくありません。
また、ここでは障害や病気を抱える人々に焦点を当てて説明をしていますが、このような状況は、怪我をしている人、入院している人、介護が必要な人など、多くの人にも当てはまるはずです。
私は起業して以来、
「着られるかどうか」の制約を取っ払い、誰もが世の中にある全ての服の中から自由に服を選べるようにしたい。それを実現できる方法は一体何なのか。
そのことを、ずっと考えてきました。
3. 課題解決の方法
そして。
情報収集の過程で一組の親子に出会い、その親子の話から遂に課題解決の方法にたどり着くことができました。
このミキさん・ユナさん親子の話の概要は、次の通りです。
※この話の詳細は、記事としてコチラに掲載しておりますので、興味がある方は読んでいただけると幸いです。
「着たくない着られる服」を我慢して着るのではなく、「着たいと思う服」を着やすくお直しをして着る。
このミキさん・ユナさん親子の話によって、
(1)「既製服を着やすくするお直し」こそが、「着られる服かどうか」の制約を取っ払うた