イキとした表情で率先して動いて助けてくれたり。
「障がいのあるメンバーは最高の生産者になれる」
私たちはお米づくりの中で、「障がいのある人」が支援される人ではなく、その強味を生かして農業分野で活躍し、自信や生きがいを持って社会とつながりをつくれることをこの日本酒「金の鳩」とともにメッセージとして社会に届けたいと思います。
あと少しのところでお米が害虫被害に?!
しかし収穫まであと一週間という時に、西日本を中心に数十年ぶりに大きな被害を及ぼしたウンカ (害虫)が、私たちの田んぼにも大量発生してしまいました。
大粒の米がたわわに実り、1200Kg の収量が見込めていた稲は次々と枯れて倒れていきました。
無事な稲を少しでも救おうとメンバー達と4日間に渡って手刈りしましたが、収穫はほんのわずか。
「あんなに一生懸命に育てて来たのに・・・。」
みんなで肩を落としていたところに、その様子を見兼ねたつながりのある農家の方々が、日本酒を造るための山田錦を分けて下さることになり、諦めかけた日本酒造りを進められることになったのです。
みなさんは、ど素人の私たちが、一生懸命お米を栽培してきた姿を見てくださっていました。
人の優しさに涙が溢れました。
▼助けていただいた農家の方々
江戸時代から続く奈良県「河合酒造」での酒造り
「自分から変化を起こすのは苦手だけれど、やってくる波には乗るようにしています。
その先に、新しい何かに出逢えるかも知れないから」
そう言って、このプロジェクトに力を貸して下さったのは、奈良県橿原市今井町で約280年続く蔵元「河合酒造」16代当主の西川暁子社長です。
▼「河合酒造」16代当主の西川暁子社長
今井町は戦国時代に寺内町として発展し、江戸時代には” 海の堺 陸の今井”と呼ばれるほど栄えました。
当時は堺と同様に自治権を認められ、諸外国との貿易が盛んだった堺と、竹内街道・横大路を通じて都市同盟のような繋がりを保っていました。伝統的な建造物が約500軒も残る今井町は、国の”重要伝統的建造物群保存地区”に指定され、江戸の情緒漂う町並みが保存されています。
その今井町で唯一続く酒蔵が河合酒造で、国の重要文化財に指定されている歴史ある蔵元です。受け継がれてきた伝統を守り続け、代表銘柄の「出世男」を始め、人々の暮らしに寄り添う丁寧な日本酒造りをされています。
▼「全国新酒鑑評会」 金賞受日本酒「出世男」
河合酒造さんとは、堺で育てたお米で日本酒を造ってくれる酒蔵を探す中でご紹介頂きました。今井町と堺市の歴史的な結びつきを知り、出世男を飲ませてもらい「堺商人たちも今井の酒を飲んでいたんだろうな」と思いを馳せました。
また、若くして先代からこの酒蔵を受け継ぎ、並々ならぬ思いと努力で守り抜いて来られている西川社長の物語やお人柄に感銘を受け、ぜひ河合酒造で造って頂きたい!とお願いをすることになりました。
堺市で生まれた御新酒「金の鳩」
今回のプロジェクトで造る銘柄「金の鳩」は、昭和22年まで堺市にあった益田酒造で造られていたお酒です。江戸時代に創業した益田酒造は、堺区の竹内街道が始まる地点のすぐ近くにありました。「金の鳩」は明治9年から造られ、百舌鳥八幡宮の御神酒とされたこともあります。
2016年、その曾孫に当たるイタリア在住の益田美穂さんが、地元堺の歴史や文化を世界に発信していく ために「金の鳩」ラベルのお酒を復活させ、百舌鳥八幡宮にも奉納されました。
そのお話を知り、堺とご縁の深い「金の鳩」を、堺で育