2018年10月に電子書籍にて小説家デビューを果たした、ことわ荒太氏。
その処女作でもある「月の裏に望む」は、アマゾンKindleにて二十週連続で高評価部門に選出され、総部数はリリースから二年間で累計五千部を記録。今もなお電子書籍読者に愛され続けている。
そんな優良作品「月の裏に望む」の書籍化をみんなで応援しよう!!
無理です。諦めて下さい。
これが最初にクラウドファンディングの提案を頂いた時の、私の回答だった。
クラファンに対する知識がそれほど深くなかった私にとって、それは極めて自然な回答だったし、それに加えて、提案者のメガネが極端に汚れていたのも神経質な私には耐え難く、さっさとこの話を終わらせたいと思わせた要因の一つだった。
私の周りには、クラウドファンディングで起業をした人もいるし、中間支援 の協力に成功した人もいる。
しかしそれは果たして本当に成功したと言えるのだろうか。
それは、自分の未来への投資者を募ることであり、目標金額を達成させることで確かに瞬間的に未来が切り開かれはするかもしれないが、その先の未来がどうであるかまでは分からない。
つまり、安易に手出しする案件ではない。というのが私のクラファンに対する率直な意見だった。
誤解を招かぬように言えば、このシステムは本当に素晴らしいし、考案した人は真の天才だと思う。
しかし一方で、危険と隣り合わせである事も理解しておく必要がある。なぜならば、お年玉じゃあるまいし、ましてや大人である私に、ただでお金をくれる人なんて、この世には一人もいないからだ。
対価として支払う。言わずもがな消費社会の基本理念である。クラファンの出資者も同様に、リターンが出資に対して十分であるかを検討し、参加を決定しているはずだ。
もう一度言うが、ただでお金をくれる人なんて、いない。それをこの場で言うことで、クラファンを甘く考えている人の抑止力になればと思うし、願わくば最大で、どこぞの国の内親王の婚約内定者様とやらまで、この声が届けばいいと私は願っている。
そんな私がクラファンの実行に踏み切ったのは、提案者のメガネが、ピカピカに洗浄されたからではない。
「紙の本なんて、たぶん売れないっすよ」
何かと問題発言の多いタイプの若手スタッフが放った一言が、全ての始まりだった。
「今は電子書籍が楽っすよ」
「い
や、分かるよ。でもさ、やっぱり紙の本は良いよ」
「そうですか? 重たいっすよ。それにことわさんだって、キンドルで出してるだけじゃないですか」
その通りだ。残念ながら。悪かったね。
しかし現実問題として、私のような無名作家が作品を製本化するには、主だって二つの手段がある。
出版社の指導の元で製本していく企画出版か、または完全なる自費出版か。
前者は販売促進路線には乗せて貰えるが、一方で様々な規約が発生する上に、初版部の費用はほぼ持ち出しとなる事が多い。つまり、結局は自分でお金を出すということだ。その額なんと、千部で二百万円。
後者は規約に振り回されること無く自由に販売が出来るという利点はあるが、全コスト自分持ち出しに加えて、販売手段が極端に限られてくる。つまり、作ったところで、どうやって売るの?という問題が発生するのである。
どちらも一長一短あり、なんとも悩ましい。いずれにせよそれらを私が個人で回していくには限界があり、そしてまたその限界は、哀しいかな途轍もなく小さい。
そんな時に、スタッフがクラウドファンディングの話を私に持ち掛けてくれた。その提案はとても論理的で、尚且つ合理的なものだった。
当初は、このシステムによって書籍の出版に費やされた洒落にならない費用の一部でも捻出できればという思いが無いわけではなかったが、準備を進めていくにつれ、感覚と意識が変わった。
こう言ってはなんだが、そんな事はどうでも良くなってしまったのだ。今はただ、ご協賛頂いた方々による価値あるリターン品を、分かって頂ける方々とシェアし、そして「月の裏に望む」が書籍化されたという事実の拡散を主たる目的とするならば、これほど有効な手立てはないと考えている。
初めは全然乗り気では無かったネガティブな私だったが、多くの人々が尽力を注いで下さり、また、あり得ないほどの著名な方々がご協力して下さったお陰で、この度のクラウドファンディングに辿り着くことが出来た。
江ノ島の名物エスカレーター「エスカー」のチケットのイラストを手掛ける、茅ヶ崎を代表するウォーターカラーアーティストのかとうくみさんには、作中の場面イメージを水彩画で表現して頂いた。
本来ならば私なんかが口を聞いてはいけないほどのご高名な人物で有らせられるのだが、
幸いにも「月の裏に望む」を読んで頂いたご縁で、今回のプ
ロジェクトにご賛同頂ける運びとなった。
本当に、アンビリーバブルなキャスティングに心から恐縮し、そして言葉では言い表せないほどの感謝の気持ちで一杯だ。
しかし、私が感謝するのは、もっと先で良い。今はとにかく、このクラウドファンディングに全力を注ぎ、より多くの方に知って頂くことが優先されるべきだと考えている。
無理です。諦めて下さい。
と初めに言った私を説き伏せてくれた方々、そしてサポートし、ご協力に尽力して下さった方々に、心からお詫びし、そして感謝を申し上げます。
メガネがどうのこうのと言っていた自分を改め、今こそ前向きに取り組ませて頂きます。
これを機に、是非ページを指でパラパラと捲りながら「月の裏に望む」を読んで頂きたい!
是非、書籍化の夢にお力をお貸し下さい。そして多くの方のご賛同を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
ことわ荒太
これまでの活動
電子書籍という場のみの出版活動でした。
資金の使い道
費用は主に書籍の出版費用及び、グッズの準備費用として使用します。
リターンについて
今回は書籍のセットとして4種類のリターンをご用意しております。
※全てのリターン品に書籍がつきます
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①1500円
●書籍一冊
●かとうくみ描き下ろしイラスト ポストカード三枚セット(ことわ荒太直筆メッセージ入り)
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②5000円
●書籍一冊
●かとうくみ描き下ろしイラスト ポストカード三枚セット(ことわ荒太直筆メッセージ入り)
●月裏Tシャツ(カラー、モノ、サイズ選択可)
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③6000円
●書籍一冊
●かとうくみ描き下ろしイラストB4フレーム入り 三枚セット
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④10000円
●書籍一冊
●かとうくみ描き下ろしイラスト ポストカード三枚セット(ことわ荒太直筆メッセージ入り)
●かとうくみ描き下ろしイラストB4フレーム入り 三枚セット
●特典 10000円コースに限り、ことわ荒太氏とzoomにて10〜15分のマンツーマントーク(任意)
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書籍及びイラストの著作権は起案者に有します。
<All-in方式の場合>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。