モンゴルから日本へ想いをつなぐ!やさしい革のある暮らし

モンゴルから日本へ想いをつなぐ!やさしい革のある暮らし
人にも環境にもやさしい革づくりをモンゴルで推進し、端材をすべて使ったラグビーボール型のクッションを制作しました。このプロジェクトではそれを活用した「ラグッパ体操」を通じてご家庭や職場の健康づくりを推進します。国境を越え、世代も越えて、元気になればなるほど、社会も地球環境も良くなる活動に挑戦します。


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モンゴルから日本へ想いをつなぐ!やさしい革のある暮らし
6 ~ 7 分
<ご挨拶>

当社・山口産業株式会社は1938年に創業した東京都墨田区の小さななめし工場(タンナー)です。日本で畜産される豚肉の副産物である豚原皮をもとに、皮から革へと鞣し(なめし)をして皮革素材を生産し、靴やバッグなどのメーカーやブランドに供給することが主な仕事です。

1990年ごろに、父である先代社長・山口宗利が、古来から伝わる植物タンニンなめし剤を主原料とすることで人と自然と環境にやさしい“ラセッテーなめし製法”を開発し、世界的にも主流であり当社も創業以来使用していた重金属系のクロムなめし剤をゼロとして、いつかは生産する全ての革素材をラセッテーなめし革にしたいと親子で目標を立ててきました。

そのような折、海外のなめし工場地帯でクロム排水による土壌汚染や、工場で働く職人そして近隣住民の健康被害の問題を新聞記事で知りました。私は、当社のラセッテーなめし製法を伝えたら、そのような問題はすぐに解決できるのに!と様々な方に技術移転の相談を始めました。

しかし私を含めて従業員4名の小さな下町工場である当社が、唯一持つ技術を同業他社に伝えていくことには沢山の反対や意見がありました。「知的財産として権利を保ち、国際特許を取らねばならない」「もしも不正に権利を侵害されたら、その国に行って訴訟を起こすべきだ」とか、「どうやって言葉も通じない国に、どうやって費用を捻出して行くのか」「技術指導に行っている間の自社工場の生産作業はどうするんだ」など。

そこで約5年前の2015年に父から代表職を継ぐタイミングで決心を固めて、MONYプロジェクトの前身であるワールド・レザー・プロジェクトを立ち上げました。
皮革業界の方や専門知識、特にSDGsの観点からアドバイスをしてくれる方々も途中から協議に加わり、そこで決めたことは
「当社自身がクロムなめしの生産を廃止し、ラセッテーなめしのみ行う工場となること」
「ラセッテー技術の不当な再販売防止のために、あえて技術は最初から無償で伝えること」
「世界中に広めるために、国同士が事業を担保してくれる制度からスタートすること」
「広めた先の国の職人が、また次の国へと伝えて行けるように製法レシピの簡素化と品質管理のシステムを築くこと」。

ミモザアカシアの樹皮を精錬し、天然成分である植物タンニンを抽出してなめし剤として使用する
「RUSSETY LEATHER®(ラセッテーレザー)」

そのような折に、すでにJICAを通じてモンゴル国に様々な支援や調査を実施していたコンサルティング企業から声がかかり、JICA民間連携事業に申請をして採択を得て、モンゴル国からスタートすることになりました。

そんな矢先にコロナショックが起こり、私達の業界も大きなダメージを受けました。海外ブランドからの発注も減少し、渡航もできない中で、改めて地球人としてどう次世代に未来をつなぐかということを見つめなおすきっかけになりました。
ポストコロナに向けて、人と自然と環境にやさしい革を普及させ、誰一人取り残さない健康づくりにつなげられたらという想いで事業に取り組んでいます。

<MONY(モニー)チームの紹介>

JICA民間連携事業では、まずはモンゴル国にある約30件のタンナーからスタートしました。単なる技術のみの支援活動にはしたくなかったため、私は同国のタンナー経営者や現場職人そして政府関係者とも徹底的にコミュニケーションを図り、「なぜ必要なのか?」「我々