子ども達の学ぶ機会を奪わない社会の実現にご支援ください。


置かれた境遇に不満を言いたくなる中、こんなことを言う子どももいるのです。

「経済的不便はあると思いますが、今の生活はとても満足している。頑張って家計をささえることも自分の役目だと思うし、とても幸せです。」

私は自分がなんて恵まれた環境で生活していたのかを思い知らされました。同時に、あのまま東京で生活していたら想像すらしなかったことが同じ日本で起きていることに衝撃を受けました。

これが私がこのプロジェクトを始めようと思ったきっかけです。
沖縄の現状について

今日本の子どものうち7人に1人が貧困と言われています。21人を1クラスと仮定すると、そのうち3人が貧困状態になります。

沖縄はその約2倍にあたる3人に1人が貧困状態にあります。同じように、21人を1クラスと仮定すると、そのうち7人が貧困状態になります。

割合にすると29.9%となり、2012年、日本が子どもの貧困問題に取り組むきっかけになった過去最悪の貧困率16.3%の2倍近い水準となっています。また、内閣府が公表している平成26年版子ども・若者白書では子どもの貧困率の国際比較が行われていますが、OECDに加盟する先進諸国の中でもっとも悪いイスラエルの28.5%を超える水準となっています。

なぜ沖縄県では子どもの貧困が多いのか

沖縄県の最低賃金は全国で最も低い792円です。収入は低いですが、携帯電話の料金や日用品の金額は全国水準かそれ以上の料金を支払っています。私が東京で働いていた頃、財布が厳しいときに頼りにしていたコンビニの弁当やファストフードは、沖縄ではお金のあるときに買うものなのです。さらに車社会であるため、車の維持費が多くかかることや、インバウンド需要による地価の高騰を受け高くなった住居費も家計を圧迫する要因となっています。

これらの要因により経済的に困窮した児童が多くなり、高等教育を受けることができず、学歴による所得格差により貧困が世代を超えて連鎖し、さらなる貧困を生み出しています。
届かない支援策

この現状を打破するため、政府や沖縄県は子供の貧困対策に取り組み、様々な支援策が誕生しました。また高等教育機関の中にも沖縄の子ども達のために特別な支援策を実施したり、民間団体による支援もたくさん行われています。

しかし、各団体がせっかく行っている支援策も彼らには届いていないのです。
昨年、文部科学省や日本学生支援機構が精力的に広報活動し、私も各高校やセミナーで力説した大学無償化について、困窮世帯に対して認知度調査を行った結果が次の通りです。

あれだけ広報を行ったにも関わらず全体の2割程度しかその存在を知らなかったのです。どんなに良い支援策を作っても支援が必要な人達に届かない。政府や沖縄県が頭を悩ませるこの問題に、セミナーに参加された保護者の方から寄せられたご意見が解決の糸口となりました。

1、2時間のセミナーに参加しても一度に理解できない。
世帯ごとに状況が違うので、いつでも相談できる窓口を作って欲しい。

ホームページで告知すれば調べてくれるだろう。
ポスターの掲示やチラシを配布すれば見てくれるだろう。
セミナーを定期的に開催すれば来てくれるだろう。

そうです、私達は私達の普通を彼らに押し付けていたのです。制度を作る人も、制度の広報をする人も、セミナーをする人も、みんな高等教育を受けられた人がほとんどです。私達の普通は、彼らの普通ではないのです。専門学校で子ども達に授業をしていたときに肝に銘じていたことが、相手が大人だからという理由だけで忘れていました。

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