愛知県瀬戸市の木工作家による、地元の間伐材を使ったものづくりプロジェクト


んと出会う前は、県有林などの担当者に話を聞いたものの、個人で伐採はできないと断られたり、私有林も地主さんがわからなかったり、わかっても断られてしまい、どうすることもできませんでした。

けれど、加藤さんに出会い、自らチェーンソーを使って間伐をして、森の保全をしつつ、その木材を使って、作品づくりができる環境が整ったのです。
◎どんぐりの木の間伐材を使って、作品づくり

自分で切った間伐材は、丸太のまま持ち帰ります。

これまでわたしは製材され、きれいに整えて、使いやすくなった間伐材を使って、作品をつくってきました。

けれど、今回瀬戸で採れる間伐材は、大きさは大小様々その上、どんぐりの木は、曲がりくねった木が多く、大きな木材にはできません。そこで、小さな材料で作れるボールペンにすることに決めたのですが、丸太からボールペンのサイズの木材を切り出すのもひと苦労でした。

製材機のような大型設備があれば簡単ですが、現在は、チェーンソーで大まかに切り、そのあとはノコギリや斧や鉈を使って必死に手加工でなんとか材料を切り出しています。

材料を切り出したら、切りたての丸太は水分が多すぎて加工できないため、工房で乾燥させます。乾燥したら、木材をひとつひとつ選別してカット。ボールペンの芯を通す穴もあけます。

木材をひとつひとつ選別してカット。ボールペンの芯を通す穴もあけます。

木工ろくろを使い、削っていきます。ここでどんな木目になるのか楽しみな瞬間です!

木目は1本ずつすべてが違うので、毎回、削った時の楽しみがあります。ここに、金具を取り付けて、芯を通して完成です!

こちらが、メイドイン瀬戸の「せともり」ボールペンです。

本当にシンプルに、木そのものの良さを感じられるアイテムです。

さらに、大好きなギターの塗装「サンバースト」バージョンも作ってみました!

「サンバースト」とは外側に向けて色が濃くなるグラデーション塗装のことです。60年以上ギターの塗装に使われ、多くのギタリストに愛されている人気のカラーです。

ボールペンや万年筆にしてみたところギターと同じように木目と金具との相性もよく
渋くてかっこいい1本に仕上がりました!

◉サステナブルな循環

余った端材は、瀬戸で昔ながらの方法でどんぐりの木の灰から釉薬の作っている窯元に利用して頂いて
間伐材の端材、おが屑まで無駄なく使う仕組み作りにも力を入れていきます。

また、瀬戸にある燻製屋「天佑」さんも、今後「森間伐の会」の活動に参加して、間伐材を使いたいという動きも出ています。以前から燻製用の丸太を探していて、わざわざ遠方まで購入しに行っていたということで、地産地消はまさに一石二鳥。この会で整備している森では、高級な桜の木もあり、燻製用に使うと、香りがとてもよくなるといいます。
◎資金の使い方

森の整備とものづくりに使う道具を購入します!

①丸太を加工する3種類の製材機:約8万円

●丸太を大まかにカットする製材機

●角材にする製材機

●長さをそろえるベンチソー

現在、手作業で非常に非効率なため、製材機を導入します。

製材機を導入することで、丸太から板状の木材を作ることができるので、、お皿やおぼん、カッティングボードなど、作品や体験していただけるものの、幅がぐんと広がります。

②森の整備の道具を購入:約5万円

参加している「森間伐の会」は、ボランティア団体のため、自分たちで服や道具のすべてを用意しています。集まったメンバーで各自持ち寄った道具で作業していますが、私の持っている道具では