極上の「大阪サンド」で日本の食卓を笑顔に!究極の冷凍コラボ!

ある小麦粉。通常よりもずっと粒の小さな小麦粉を採用しました。岡山県の小田象製粉さまの独自技術によるKISA(キサ)という小麦粉です。粒度が小さいと「表面積が大きい」「でんぷんが壊れにくい」という特徴を持ちます。そのため「空気」と「水」をたくさん抱き込み、離さないのでふっくら・しっとりしたパンを作ることができます。水を逃さないことは冷凍・解凍での劣化を防ぐことにもなります。

また、生地を捏ねる前には、小麦粉だけをほぐすように混ぜてあげます。こうすることで袋の中に押し込まれた小麦粉が空気に触れ、こねあがった生地により多くの空気を抱かせることができます。

冷凍に強いパンやしっとり食感のパンを作ることは実は難しいことではありません。冷凍耐性を持たせる改良剤はパン屋さんでは一般的ですし、卵やバター、生クリームといった副材料を使用すればしっとりします。でもそれは食べるお客さまの「安心」や「価格」とのトレードオフです。食パンを作るために必要な材料は多い順に小麦粉・水・砂糖・油脂・酵母・塩です。新しいとびばこパンは可能な限りこれらの材料だけで作りたいと思いました。それは身近なパンでありたいからです。

KISAを開発した小田象製粉の技術者の方の理念です。「改良剤や副材料で補っている機能を小麦粉だけで実現したい」私の考えと完全に一致した小麦粉を見つけました。

2段目「アルカリイオン水」

小麦粉の次にたくさん入っている材料「水」。電解水素水を作る機械を導入しました。この機械で電気分解され「酸性の水」と「アルカリ性の水」がそれぞれ蛇口から出てきます。新とびばこパンには「アルカリ性の水」を使用します。

アルカリイオン水は、さまざまな健康促進効果があることで知られていますが、分子構造が小さいので浸透力が高く、素材の味を引き出したり味をまろやかにする働きもあります。たとえば、出汁が良く出るので、日本料理店で使用されていたり、コーヒーの味が深まるのでカフェで重宝されるなど、高品質が求められるさまざまな調理現場で活躍しています。パンにアルカリイオン水を使うと、粉と馴染みやすいのでたくさん水を含んだしっとりきめ細かい生地のパンを作ることができます。

新とびばこパンに使う小麦粉と水は、それぞれが歩みよる、まさに相性抜群のカップルです。

3段目「やさしい製法」

いいことづくめですが、課題がありました。パンに不可欠な発酵を担う酵母(イースト)は弱酸性の環境で一番元気に働きます。そのためpHが高いアルカリ性の水は一般的にタブーとされています。新とびばこパンの開発において、2段階に分けて捏ねることと、ゆっくり発酵させることでこの課題に挑みました。両方とも製法として珍しいことではありませんが「しっとり冷凍」という揺るがないコンセプトに沿って、目的に適した複数の手段を組み合わせて、最適な答えを出すことができました。

時間をかけることで生地は成長しながら熟成し、おいしさが増します。気温や天候による影響も受けにくいので、安定的な製造が可能になります。短時間で仕上げる生地と比べ、ミキサーなど機械にかかる負荷も減ります。機械の故障リスクを軽減することは、製造業でものすごく大切なことです。さらに、開発の過程でイーストを減らすことに成功しました。

新とびばこパンは、お客さまにも、職人にも、機械にも、やさしい製法でできています。

4段目「新工程・蒸し」(※特許出願中)

しっとり冷凍の決め手になる独自開発した技術です。どんなパンもオーブンで焼くと10%の水を失います。焼いた後に水を加え