くの人々を巻き込むことでみんなの夢となり、その夢が形となりつつあります。しかし、多くの企業の方々と会うことで、企業に就労している障害者にまだまだ光が当たっていないということを再認識しました。私が勤務していた会社でも障害者差別解消法の対応のため利用者やお客様対応に注力していましたが、仕事をしている障害者に対しては多くの社員が無関心であり、会社としての仕組みもなく管理者の個人技に任されていました。ある運輸会社でも身体障害のお客様の対応の仕組みはありますが、残念ながら神経・精神障害のお客様に対応する仕組みはなく、就労している障害者に対しても無関心レベルでした。
このような状況で働く障害者は漠然とした差別を感じるのではないでしょうか。日本人は建前で差別しないと言いますが、本音で無関心であれば、障害者は差別されていると感じるのではないでしょうか。これでは気軽にカミングアウトすることが出来ないのではないかと思います。働きにくいままではないでしょうか。私も会社勤務の時には一部の方にしかカミングアウトをすることが出来ませんでした。いま、この映画の製作に携わる中で、パーキンソン病になったからこそ映画という夢が実現したと思えるようになりました。人は想いや夢を実現することで無関心という差別の壁を打ち破ることが出来ると思います。
この映画を完成させ上映することで、無関心の状況を変え、障害者と健常者が共生する社会の実現の第一歩としたい。それが日本の社会を変えるきっかけになると確信しています。コロナ禍で明らかとなった医療を始めとする日本の課題や問題を取り組んでいく上でも、いま私たちが変わらなければ世界で取り残された国になってしまうでしょう。私たちが変わるきっかけになる映画にご期待ください!
PD就労促進プロジェクト実行委員会 委員長 松野 幹孝
PD Cafeとは?
PD Cafeはパーキンソン病の方のための運動継続プログラムです。PD Cafe代表の小川順也は理学療法士として2015年まで国立精神・神経医療研究センター病院で働いていました。パーキンソン病には運動療法が効果的であるが、運動症状が軽度の方が継続して続けることが難しい現状があったため病院を退職してPD Cafeを全国に広げている。運動だけではなく、つながりもとても大事です。
パーキンソン病と診断されると家族や職場や友人関係でも孤立感を味わうという声を聞きます。そんな中、同じ境遇の方々が集まり様々な悩みやその解決方法を話せる場を作り、病気になっても自身のやりたいことを叶えられるコミュニティが必要と考え、PD Cafeを運営しています。PD Cafeでは、当事者による様々な活動が行われていました。
PD Cafeの運動教室の様子
その中でも、松野さんはご自身でウォーキングの会を主催したり、運動教室を開催したりととても精力的に活動してくれていました。次はどんなことをしてくれるのだろうか?と思っていたら、映画を作りたい!と言ってきました。正直、驚きました。しかし、これこそがリハビリテーションの本質だと感じました。リハビリテーションは「その人らしさを取り戻す」という意味があります。まさに、松野さんはご自身の経験から映画を通して社会を変えたい!そう思って行動し始めました。 PD Cafeでは松野さん以外にも積極的に活動している方々がたくさんいます。このプロジェクトを達成することで、パーキンソン病、そしてそれ以外の難病の方々への希望になると思っています。
なぜ「ダンス」?