はじめに
みなさん、こんにちは。NPO法人情報ステーション代表の木村圭佑です。
NPO法人情報ステーションは、これまでの16年間の活動の中で図書館を起点とした、「まちづくり」「地域コミュケーションの活性化」をテーマとして活動を進めてきました。
我々の活動は、主に支援者のみなさんからご寄贈いただいた古本をリユースし、ボランティアさんたちによって運営される民間図書館の設置を中心に進めています。
「〇△□の小説ある?」「ありますよ。予約入れておきますね。」
本の貸し借りを通じて、スタッフやボランティアさんたちと利用者のみなさんとの間で何気なく交わされる言葉が積み重なり、自然な会話が生まれ、だんだんと交流が深まってくるというのは民間図書館でよく見られる風景です。そして、だんだんと人が集まってきて、そこが地域にはなくてはならないコミュニティへと成長していきます。これは、本を媒介とすることで生まれる、図書館ならではの効能だと日々実感しているところです。
また、本について語り合うという行為には、年齢の壁はありません。一般的には人生の先輩たちである高齢者のみなさんと、若い世代の間にコミュニケーションが自然に生まれるという光景はなかなか見られないものですが、本という共通言語があるとそれが不思議なほどに自然に発生していく過程を幾度となく目にしてきました。
このような民間図書館の効能は既に多くの皆さんに認知していただき、現在では、日本全国に100館を越える民間図書館が設置され、住民のコミュニティとして機能し、多くのみなさんの交流の場として活用されています。
自然災害での被害
そんな我々の民間図書館の活動を脅かしたのは、一昨年の台風15号でした。千葉県全土を襲った台風15号は、私たちが100余館を越える民間図書館の本棚をいつも新鮮な状態に保ち、魅力的にしておくためには、頻繁な蔵書の流通、本の入替えが必要です。その蔵書流通の要として活用していた袖ヶ浦団地の倉庫を台風15号は全壊させてしまいました。倉庫の屋根は吹き飛ばされ、図書館の蔵書は風雨にさらされて水浸しとなり、使用不能な状態になりました。我々の図書館の蔵書は、支援者のみなさんから頂戴したお気持ちのこもったものばかりです。私たちは泣く泣く約1万冊の蔵書を廃棄することとなりました。
地域コミュニティを支える民間図書館を維
持するためには、何としても蔵書を収めるための新たな蔵書基地の設置が急務であり、私たちは1年かけて模索してきましたが、この度やっと千葉市野呂町の空き家のご提供をいただき、蔵書基地として整備を進めてきました。スタッフ、ボランティアのみなさん、その他多くのみなさんのお力を借りて、空き家に残されたたくさんの廃棄物を片付け、清掃し、本棚を設置し、ようやく蔵書基地としての機能を最低限果たせるところまでこぎつけることができました!その節はたくさんのご支援を賜り、誠にありがとうございます。みなさまの暖かなお気持ちに心から感謝申し上げます。
野呂町地域のみなさんの憩いの図書館をつくる
私たちの次の目標は、この蔵書基地、野呂町Book Base(仮称。以下、「野呂町BB」)の存在意義を更に一歩深めて、野呂町地域のみなさんの憩いの図書館とするということです。野呂町BBの周辺は、大変に閑静な住宅街で、近くには泉自然公園があり、木々の緑の美しさを感じることのできる町です。周辺の住宅も、丹精された植木、草花が窓辺を飾るお宅も多く、地域住民のみなさんが端正な暮らしを丁寧に守って来られた様子がうかがえます。この静かな住宅街にもう一つ、民間図書館の彩を添えたいというのが私たちの気持ちです。単に蔵書基地として、本が行き来し流れるだけの場所ではなく、地域に住民のみなさんが日々のちょっとした時間を過ごすため、図書館に寄り集まり、言葉を交わし、時にはお茶を飲みながら談笑する、そんな場所がこの町に生まれたらどんなに素敵なことでしょう。地域の方々がボランティアとして生き生きと活躍している、小学校の子どもたちが熱心に本を選ぶ、ご高齢の方が小さなお子さんに絵本を読んで聞かせる、そんな光景が図書館に満ち溢れたら、閑静な住宅街がまた違った表情を見せるようになるのではないでしょうか。
私たちは、3月にこの野呂町BBを、情報ステーションが直営する民間図書館として一般公開することを目指しています。まず、野呂町のみなさんの図書館として親しんでいただけるよう、名前を募集すべく、ネーミングライツをリターンとして、クラウドファンディングを行います!自然あふれる野呂町にふさわしい、図書館の名前をぜひ考えていただきたいです。
同時に、地域の民間図書館であることが一見して分かるような、看板を設置したいと思っています。看板はスタッフが
手作りで設置しますが、その材料を調達するための資金も必要です。また、現在は割と素っ気無い蔵書基地に必要な機能に特化して整備したところですが、人々の憩いの場にふさわしく、内装を整えていくことも検討しています。
長年人が住むことのなかった空き家が、民間図書館が地域コミュニティの新たな核として生まれ変わるという実践事例は、今後、高齢化が進む日本全国で応用可能なスキームとしても十分意義あるものになると自負しております。
ぜひ、多くのみなさんのお力をお寄せいただきたく、ご支援、ご協力を賜りますよう、何卒よろしくお願いいたします!
資金の使い道およびスケジュール
3月 清掃、内外装整備
蔵書寄贈キャンペーンの実施
3/27 民間図書館名称決定オープン
民間図書館開設にかかる費用
・清掃用品の購入 1万円
・看板製作費用 4万円
・その他備品等 5万円