せんか。
応援メッセージ
相談支援専門員
医療的ケア児等コーディネーター
因 俊行 様
医療的ケアが必要な子ども達の相談支援専門員として従事する中で、アンリーシュに出会いました。
医療的ケアが必要な子どもの就学について、全国各地で様々な実践が行われています。
しかし、それを知る手段は非常に限られているのが現状です。
今回の就学事例集は、医療的ケアが必要な子どもと家族が希望する就学の実現に向けて、貴重な情報源となることでしょう。また、支援者にとっては全国各地の実践事例を参考にしながら、それぞれの地域ならではの就学支援実践につなげていくきっかけとなることでしょう。
医療的ケア児当事者家族
私の息子は気管切開をしており人工呼吸器や在宅酸素を使用しています。
就学問題では、今の現状では親が毎日学校への送迎と付き添いをする事が子どもが通える条件でした。
その為、仕事を辞めなければならない事や自分が体調を壊してしまうと学校へ通えない事、妹のイベント等に参加できなくなるのではないかと思い、支援級での看護師さんの配置も考えていました。
しかし、行政や学校側ともたくさん相談し、先輩ママさんからのお話しも聞いた上で医療的ケアの内容から母子分離は難しいと判断し、息子がお友達のと関わりをもち、教育を受けられる環境を優先して、私の仕事は諦める事にしました。
子どもが学校へ通う為に親は何かを諦めなくてはならず、子供の就学という嬉しい成長と共に親の負担が大きくのしかかる現状があります。
この事例集を通して、医療的ケアがあっても学校という場所でどうやったら安全に学び、多くの人と関わり、成長していけるのか?
又、その裏で、学校生活にどのような想いがあり、就学までに準備した事、学校側と家族側だけではなく、行政がどんなサポートをしてくださっているのか等、地域差がまだまだありますので自分の地域だけではなく全国の医療的ケア児の就学生活の事が知れることが大切だと感じています。
今までは手探りで時間がかかっていたことも、この一冊を見たら、学校や行政に具体的に伝えやすくなったり、入学後の付き添い期間や苦労した部分、その子をサポートしてくれる人達はどんな人なのか等、安全に学校生活を送れるたくさんの工夫が詰まったものとなる事を期待しております。
先輩方の入学後も感じている悩みなども先に知ることができれば、改善するために動く事もできます。ぜひ、就学問題で悩んでいるパパママに寄り添った一冊になって欲しいです。
そして学校、行政の方々にも読んで頂き、出来る事から寄り添って頂けたら幸いです。
最後に
私は、2015年に重度の障がいがある娘を出産しました。その子は、人工呼吸器、胃ろう、たんの吸引などが必要な医療的ケア児でした。
娘の育児は、本当に困難の連続でした。
3年にも及ぶ付き添い入院。やっと退院して家に帰ってきても、24時間の呼吸器管理や吸引が必要で、連続して睡眠を取れない日々が何年も続きました。
それでも、お友だちとふれあい、少しずつ成長していく娘の姿は、私に、何にも変え難い喜びを与えてくれました。
これからも、病気や障がい、医療的ケアのある子どもたちが、それらを理由に学校から断られることなく、健やかに成長していって欲しい…そう願っています。
事例集の構成
第1部:アンケート分析から見える現状
第2部:現状から見える課題(専門家による寄稿)
第3部:事例掲載
第4部:協賛企業・団体紹介
アンケートご協力のお願い
医療的ケア児の就学状況を知るために、2021