はじめに
「水戸野外映画上映会」は2012年より毎年9月水戸芸術館広場にて行われている映画の上映会です。
芝生の上にシートを敷いたり椅子に座ったりしながら思い思いに映画を楽しめる場をつくっています。子供から大人まで毎年2〜300人程の来場者で賑わい、愛されています。野外でワイワイ映画をみる機会・体験はなかなかないこともあり、毎年この上映会を楽しみにしている方が多くいらっしゃいます。
今年も昨年に引き続き新型コロナウイルスの影響で開催が危ぶまれましたが、万全の対策をした上、事前申込制300名限定での上映となります。
現在まで公的資金や助成金などに頼らず、任意団体での運営を行なってきましたが、資金的に継続が難しい状況になっています。この試みを継続して行くため、今年もクラウドファンディングに挑戦しています。是非ご支援ください。
今年は9月4日(土)17:00〜 水戸芸術館広場にて『風の谷のナウシカ』を上映します。
なお、このクラウドファンディングでは事前申込は同時にできませんので、当日参加希望の方はPassMarketよりお申し込みください。(記事下部に申し込みリンクがございます)
※本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
主催代表からのメッセージ
水戸の夜に一年に一度出現する、みんなのためのみんなの野外映画館。
2012年から始まった水戸芸術館広場での野外映画上映会は今回で10回目となります。
昨年よりコロナ禍での開催ということで、定員を設けて事前予約制の運営とさせていただきました。子供から大人まで誰もが自由に映画を楽しめる場を作るというコンセプトでスタートした野外上映会ですので、定員を決めずに運営してきたのですが、安全安心の運営を最優先とし、昨年よりこのような形となりました。様々な業種やイベントの活動が制限されている状況で開催することへの葛藤がないわけではありません。しかし、昨年の野外上映会では、大きな混乱もなく感染者を出すこともなく運営できたことは大きな財産となりました。これは最高の空間を作り上げてくださる参加者の皆さんお一人お一人のおかげです。毎年のことですが会場はマナーを守り、お互いへの思いやりを持って集まってくる来場者にあふれています。終演後の会場にはゴミが落ちていません。そのような皆さんとなら、どのような状況であっても、感染症対策を守った形での開催が可能であると信じています。
第10回目にセレクトした作品は、不朽の名作宮崎駿監督作品『風の谷のナウシカ』です。まさに大人も子供も楽しめることをコンセプトに活動してきた水戸野外の原点回帰というべき作品です。『ナウシカ』の世界では産業文明が滅びて千年経った世界で、人々はマスクをしていないと生きられず、過去の文明に汚染された大地に生まれた新たな生態系「腐海」の有毒な瘴気から風によって守られている風の谷が舞台です。まるでコロナ禍を取り巻く「いま」の比喩となるような物語です。
思いもよらないことが次から次へとやってきて、理不尽や矛盾が蓄積する日々に憂鬱になりますが、世界の動きを強制的に止めたCOVID-19は、社会のあり方を再考する時間をくれたのかもしれません。『風の谷のナウシカ』は産業革命から今に至る科学技術の急速な発展や、資本主義による経済発展とは異なる価値基準に基づく社会のあり方を模索する私たちに多くの知恵と希望を与えてくれる作品です。都市と自然のあり方をテーマとした本作を、水戸のまちなかで、水戸芸術館のタワーの下