▼2030年までにフィリピン・マニラのストリートチルドレンをゼロに―
ページをご覧いただき、ありがとうございます。認定NPO法人アジア・コミュニティ・センター21(ACC21)でフィリピン事業を担当している辻本紀子です。
今、「2030年までにフィリピン・マニラのストリートチルドレンをゼロに」を大きな目標に掲げながら、路上の若者一人ひとりが夢を持ち自分で未来を切り開いてゆけるよう支援しています。
今回は、ぜひ皆さんに、コロナ禍のフィリピンの若者たちが路上を抜け出すためのチャレンジにお力添えをいただきたいと思い、このキャンペーンを始めました。ぜひ応援よろしくお願いします!
▼ フィリピン・マニラだけで5万~7.5万人にのぼるストリートチルドレン
まずはぜひ、動画をご覧ください。
数十年前から現在まで、 ストリートチルドレンの数は減るどころか増えているとまでいわれています。
私たちは2018年夏、10代後半から20代前半の若者たちに焦点をあて、ストリートチルドレンが増えてしまう悪循環を断ち切ろうと、活動を開始しました。
2021年2月までに67人の若者が参加し、自立のためのスキルを身につけました。そのうち、約半数(33人)が就職または自営で仕事をスタートしています。これまでの詳しい報告はこちら。
▼ コロナ禍でさらに困窮する路上の子ども・若者たち
しかし、コロナ禍で、路上で暮らす子ども・若者の状況は厳しさを増しています。
過去に支援した若者たちの多くも仕事を失いました。
そこで、困窮する路上の若者や子どもたちのために、昨年は緊急支援物資(食料や衛生用品)を配布しました。この活動にはのべ118人・団体から180万円を超えるご寄付をいただき、深く感謝しています。
ただ、緊急支援は一時の応急措置です。
―“コロナ後”を見据えた時、本当に必要な支援は何か?
私たちは現地パートナー団体・チャイルドホープのハーベイ事務局長と話し合いを重ねました。
▼本当に必要な支援を、若者たちに
路上で暮らす子ども・若者たちの多くは、何かを最後まで “ やり遂げた”経験がありません。そんな若者たちに、単に職業技術を教えたり、自営業をはじめる資金を渡しても、うまくいきません。
そこで、若者たち一人ひとりに寄り添って、将来の目標を立て、自立に向かって努力し続けられるようにサポートします。さらに、プロジェクトを“やり遂げた”経験が、これからの人生の礎になります。
▼ 数々の苦難を乗り越えて前に進む―ロウェナさんの場合
ここで、昨年プロジェクトに参加したロウェナさんを紹介します。
プロジェクトの仲間とロウェナさん(左端)
ロウェナさんは22歳。3歳から母と路上で暮らした元ストリートチルドレンです。きっかけは父の暴力でした。学校には小学4年生までしか通うことができず、制服姿の子どもを見ては嫉妬しました。
やがて母が再婚すると義父が暴力をふるうようになり、家を出ました。そのあとボーイフレンドと知り合い、すぐに妊娠しました。
「当時まだ17歳で、子どもの育て方もわからなかったので、妊娠を知った時は泣きました。それでも生まれてくる子どものために自分を励まし、子どものミルクや食事のために夫と一生懸命働きました」
22歳になるまでに、4人の子どもを産みました。夫はアルコールに依存し、仕事を辞め暴力をふるうようになったため、今は離れて暮らしています。子育てには苦労していますが、子どもたちがお腹を空かさないでいいように努力してきました。
「『家族の生活