ひがし北海道の港町 釧路で水産加工販売を行っている、釧路海洋フーズ 専務の宮下友美です。釧路近海で獲れる新鮮な魚介類や、選りすぐりの魚卵を使って、たらこを中心に水産加工品を作っています。
■日本の水産資源は危機的!〜「おさかなクリスピー」誕生の背景〜
いま、日本の水産資源は危機に瀕しています。
漁獲量は1984年の1282万トンをピークに減少を続け、2018年には442万トンまで減ってしまいました。かつては日本一の漁獲量を誇った釧路港の状況はさらに深刻で、1987年の133万トンをピークに、現在は10万トン程度と、10分の1程度まで落ち込んでしまっています。
▼日本の漁獲高の推移(水産白書 令和元年 より)
日本人の魚離れも進んでいます。
世界では一人あたりの魚の消費量は年々増えているにも関わらず、主要国では日本だけが減少を続けています。日本はもともと肉よりも魚を食べる量のほうが多かったのですが、現在は肉と魚が逆転しています。
▼国民一人一年あたりの魚介類と肉類の消費量推移(水産白書 令和元年 より)
日本の、釧路の貴重な資源である魚をもっと大切にしながら、もっと手軽に食べてもらえる商品がつくれないか。その思いから、これまで廃棄されていたスケソウダラのハラス(腹の部分)や骨を使った、おかしの開発に取り組み始めました。
試行錯誤を繰り返し、ついに完成したのが「おさかなクリスピー」です!
「おさかなクリスピー」をたくさんの方に知ってもらい、手軽におさかなを食べてもらいたい。そして水産資源を余らせることなく活用していくきっかけにしたい、という思いから、今回、クラウドファンディングに挑戦することにしました。
■貴重な水産資源を余さず活用したい!〜「おさかなクリスピー」誕生まで〜
おさかなクリスピーは、釧路近海で獲れたスケソウダラのハラスや骨を乾燥させて粉末化したものを原料につかった、サクサクおいしいスナックです。
スケソウダラは、フィッシュフライやムニエルなどそのまま食べても美味しい白身の魚です。また、かまぼこやちくわといった練り物の原料にも使われている、馴染みの深い魚です。
通常使われるのはフィレ(身の部分)で、ハラス(腹の部分)は食べられる箇所が少ないため、廃棄されてしまいます。また骨や皮も廃棄されています。
▼スケソウダラのハラス。食べられるのに廃棄されてしまっています
そのままでは食べにくいハラスや骨ですが、乾燥させて粉末化すれば、加工品の材料にできるのではないかと考えて、乾燥時間や粉末化する際の細かさなど、試作を繰り返した結果、香ばしく、サクサクしたフレークを作ることに成功しました。
▼完成した、スケソウダラのハラスと骨のフレーク。アクセントに白ごまもプラスして食感アップ
このフレークを材料に味付けを行い完成したのが、サクサク香ばしく手軽に食べられる「おさかなクリスピー」です。
▼ついに完成!「おさかなクリスピー」
■おさかなクリスピーは高たんぱく・高カルシウムの「健康応援おやつ」
完成したおさかなクリスピーの成分分析をしたところ、私たちもおどろく結果が!
1パック50gに、たんぱく質が約20g、カルシウムが約400mgと、一日に必要な量の3分の1も摂取できるほどの量が含まれていたのです。
厚生労働省の調査によれば、特にカルシウムは、ほぼすべての年代で摂取量が摂取基準を下回っています。特に7歳〜14歳では1日に約1000mgの摂取が望ましいとされていますが、実際の摂取量は600mg程度となっています。