井川華『ショパン国際ピアノコンクール』への挑戦

井川華『ショパン国際ピアノコンクール』への挑戦
世界最高峰の音楽コンクール『第18回 フレデリック・ショパン国際ピアノ・コンクール』に挑戦する井川華のプロジェクトです。新型コロナの影響により、収入源である演奏会のキャンセルが続き厳しい状況ですが、選ばれた日本代表の一人としてベストを尽くし、結果を残したいと思っています。応援よろしくお願いします。

はじめに・ご挨拶

はじめまして。ピアニスト・井川華の母親の井川智子です。このたび、2021年『ショパン国際ピアノコンクール』本選出場に向けたクラウドファンディングを立ち上げることにいたしました。

▶遅すぎると言われたスタート
娘は、社会人になってから本気でピアノに目覚め、世界最高峰の「ショパン国際ピアノコンクール」を目指しました。今から6年前の2015年の同コンクール優勝者の演奏を目の当たりにし、一流の音色に聴き入り、そのステージに強く魅了されたのです。そこからあのステージに立ちたい、自分もピアニストとして挑戦したいと心に固く誓ったところから娘・井川華の挑戦が始まりました。

周りからは、「ショパンコンクールを目指す」と口にするだけで、ピアノを冒涜するなと馬鹿にされ、何度悔しい思いをしたことか。確かに、幼少期からピアノに触れ音大を出てはいるものの、ちょっと上手く弾けるくらいのレベルでしたので、そういわれても仕方ない状況でした。そんな娘を変えたきっかけは、望まない仕事をして精神的に追い詰められ、突発性難聴になり、ピアノが弾けなくなるかもしれないという恐怖を味わったことからでした。

やはり自分にはピアノが必要だと思い知り、ピアノとしっかり向き合うため本場ヨーロッパへ短期留学を決意。そこで運命の『ショパン国際ピアノコンクール』に出会ってしまったのです。ヨーロッパから戻るなり、本気でピアニストを目指したいと相談され、5年で結果が出なければあきらめるとの強い覚悟を知りました。そこから5年という長くて短い闘いが繰り広げられることに。

▶ピアニストには不利とされる小さな手

華がピアノをはじめたのは3歳の頃。先生は自宅でピアノを教えていた私の母でした。現在海外でピアニストとして活動していると聞くと、幼い頃から英才教育を受けてきたと思われがちですが、前述のとおり一切そういった教育や環境下ではありませんでした。

3月生まれということもあって、幼稚園から背の順はずっと一番前。手も小さく、周りからはピアノに向かないと言われ続けてきました。当時の唯一の強みは、耳の良さ。一度聞いた音楽は楽譜が無くても直ぐに弾くことができたので、ピアノに限らず様々な楽器を楽しんでいました。中学では吹奏楽部でフルートやピッコロを。高校ではバンドを組みキーボード・ギター・ボーカルを、大学では軽音で作詞作曲もし、アルバイトをしながらストリートミュージシャンを目指していたことも。自由に好きな音楽活動に邁進していました。

▶22歳、幼稚園児のクラスで一から猛特訓の日々

22歳にして本気でピアニストを目指し始めた華は、今までの友人関係を一切断ち切り、毎日ひたすら15時間ピアノに向き合い続けました。「小さな手」で世界に挑戦するために、幼稚園児に混ざって、腕に段ボールを巻き、奏法を一から鍛え直す日々。身長145センチ、体重40キロほどの小柄で小さすぎる手で、どうやって会場に鳴り響かせる音が出せるのか。ピアノの音色への本気の対峙とあくなき追求心。あらゆるコンクールを受けまくり、落ち続け、自分との壮絶な闘いが続きました。

それでも、自分を信じ抜き努力に次ぐ努力が続けられたのは、ただただピアノが弾ける喜びや、ピアノの美しい音色を多くの人に届けたい、自分だから出せる音色にとことん拘り続けた賜物でしかありませんでした。

そして遂に迎えた2020年の『ショパン国際ピアノコンクール』の予備予選。なんとそのメンバーに選抜されるという信じられない快挙を成し遂げたのです。憧れ、目指し続けた一流の世界に、