のです。
ですが、「手をこまねいている訳にはいかない」そう考え、多くの個人店が利益がほとんど出なくても、デリバリーに参入しているのです。
ですが、このような利益構造では、コロナによる経営へのダメージは溜まっていきます。そして、国からの支援が滞った時、地域に愛されてきたお店は、一気にその姿を消してしまうことが目に見えています。
そんな見るに堪えない、でも差し迫った現実を前に、「何とかしなければならない」とこのプロジェクトを決断しました。
申し遅れました。僕の名前は植田翔。
株式会社C.E.P.にこの4月に入社したばかりの新入社員です。新人ですが、株式会社C.E.P.には大学のころからアルバイトで参加しており、晴れてこの4月に入社しました。
飲食というのはサービスに対するお客様の反応が、「生で」「すぐに」伝わってくる世界です。提供するサービスに価値があったのか。それが目の前で分かります。そのスピード感に強いやりがいを感じ、お客様にもっと高い価値を、ダイレクトにお届けしたいと感じ、大学時代から飲食業界で働いてきました。
そんな中で社長の横田と出会い、数々の飲食店コンサルを成功させ、自社でも3店舗を運営するその手腕、そして「社会貢献」を理念にしている姿に感動し、C.E.P.を選びました。
ですが、C.E.P.で働く中で急に世界を覆ったコロナウイルス。あっと言う間に飲食店が痛んでいく現実。長年、地元で愛されてきた名店に、人が足を運ばなくなりました。どんなに美味しい料理を出しても、お客様に来店いただけなければ、事業は存続できないという事実。
もう、一刻の猶予もない。
そう感じた私は社長の横田に直訴しました。
「僕らの理念は社会貢献です。地元で愛されてきたお店を守るため、建設中のフードファクトリ―を社外の方にも使わせて下さい」
実は横田はコロナ前から、C.E.P.の料理を家でも楽しんでいただくため、料理を製品化するフードファクトリー構想を立ち上げ、それが今まさに建設中だったのです。
「今、個人店は料理の製品化の設備を用意するだけの資金も場所もありません。それに商品開発は調理以外にやる事が多く、個人店のシェフにとってかなりの負担になりますし、その技術を持っている飲食店は少ないと思います。」
「ですが、今ウチで建設中のフードファクトリ―とC.E.P.の技術があれば、店の味をプライベートブランド製品として開発し、調理からパッケージまで担うことができます。」
さらに横田に訴えかけます。
「料理を注文するECサイトもうちで準備出来れば、WEBサイトを作ったことがないオーナーも不安を感じずに任せてくれるはずです。」
少し考えて横田が口を開きました。
「植田の想いは分かった。意義のある事業だと思う。ただ、植田の想いが本当にオーナーたちに受け入れられるのか。何よりお客様に価値を感じていただけることなのか。やってみないと分からない。もし、植田の想いが本物で、世の中の必要とするなら、オレも全力を尽くすよ。だから、この事業は君の手で始めるんだ」
そして、まだ社会人としての仕事の経験もない。アルバイト上がりの僕が、名店の味を再現するOEM事業の立ち上げを担当することになりました。ですが、横田の言う通り果たして僕の想いが本当に意味があるのか。オーナーたちを救えるのか。事業として成立するのか。横田の指導があるとは言え、何から始めたらいいか見当もつきません。
そこで、お願いがあります。
もし、あなたが「地元の名店の味を自宅で楽しめるプライベートブラ