こんにちは。レザークラフトsisreyの合田(ゴウダ)と申します。
CAMPFIREでは2回目のプロジェクトに挑戦します。
今回は縫わないながら使いやすい、オリジナル設計の財布「sai2」と、その一枚革をピンストライプで彩った”メフィスト”を提案します。
どうぞよろしくお願いします。
==縫わない、広がる財布とは?==
縫製をまったく行わない、オリジナル設計の財布。
金具によるカシメ留めも行わないことで、財布の形からもとの一枚革へ戻すことができます。
ホック留め5か所、差し込み1か所。たったそれだけでできています。
*意匠登録出願中【意願2020-026982】
●スペック
★小銭 15枚 (MAX20枚) ★カード 8枚 ★紙幣 15枚
★使用素材 栃木レザー 国産THKホック(真鍮無垢)
☆サイズ
・縦100ミリ 横90ミリ
・厚み20ミリ(カード8枚収納時20~22ミリ)
*縫わない構造上、誤差と個体差があります
端が縫い合わさっていないため、自然と描かれる丸いカーブがそのままケースとして機能します。
そのため推奨する量を入れてもあまり厚みが変わりません。
*個体差があります。
①かっちりとホールドするカード入れ
カードケースの下側は、25ミリしかありません。クレジットカードの縦幅は54ミリですので、半分以下です。通常それではカードを保持することはできませんが、まったくゆるぎなく収納することができます。
その秘訣は、コインケースとカードケースの幅をギリギリに設計すること。
これによってコインケース下部が上支えとして機能し、かっちりとカードを保持してくれます。
取り出し時には財布を曲げることでカードの頭を出します。カードが半分以上露出しているので、そのまま楽に取り出せます。
②「シンプル=丈夫さ」の実現
財布はまずどこから壊れるか?それは糸による縫製部分からです。
縫わないということは、当たり前ですが縫製の破損がありません。
それだけではなく、極限まで構造をシンプルにすることを目指して、設計を繰り返しました。
必要でないと判断した部品はすべて取り除き、1ミリの革の長さすら細かく調整して作り上げています。
複雑なものほど壊れやすく、単純なものほど強い。
この理念のもとに、いつまでも使える財布を目指してつくりました。
また縫い代が必要ないので、財布のサイズも一回り小さくなって、デザインもすっきりとしています。
③オリジナル構造のコインケース
コインケースの底を縫わず、差し込み構造とすること。
これによって底面がフレキシブルとなり、見た目以上の収納力と取り出しやすさを発揮します。
このわずかな底の動きがマチの代わりをして、コインケース部分を大きく広げることができます。
④すべてが国産素材
sai2はどんな皮革でもつくれるわけではありません。丈夫さ、厚み、しなやかさ、すべての条件を満たす革が必要です。
様々な国産皮革を検討した結果、栃木レザーのつくる頑丈な革にたどり着きました。
その証明である赤タグ(栃木レザー証明書)もお付けいたします。
また、留め具のホックも国産のTHKホックを使用します。
これは真鍮無垢の高級ホックで、金具自体がエイジングすることにより、革本体と合わせて味わい深く変化していきます。
⑤エイジングと形崩れの防止
縫わないつくりです、というと、まず心配されるのが形崩れです。
本当に財布として使えるのか?使っているうちにぐちゃぐちゃにならない