Z-SCANは、ミクロな世界をクリアに観察することができるUSB顕微鏡です。
これまでの顕微鏡は、視野全体に焦点を合わせることが困難でした。Z-SCANは複数の画像を組み合わせることで、リアルよりもリアルな合成写真を自動合成し、凹凸のある物体もクリアに撮影できます。
Z-SCANの主な仕様:
【光学系】
搭載顕微鏡:Koolertronデジタル顕微鏡
最大ズーム:300倍
最大画素数:500万ピクセル(2592×1944)
【撮影視野】
最小倍率:付属スタンド使用時 :W16.5mm H15.0mm
最大倍率:透明スリーブ装着時 :W7.6mm H4.2mm
最大倍率:透明スリーブ非装着時 :W2.5mm H1.8mm
【駆動系】
最大移動距離:16mm
最大移動ステップ数:8,000ステップ
最小移動ステップ数:10ステップ
最小移動距離:16000μm/800ステップ=20μm
【外形寸法、重量】
W172(mm) D150(mm) H168(mm)、 848g (除くACアダプタ)
【システム要件】
動作環境:OS Windows 10 日本語版(32bit及び64bit)
ディスプレイ解像度1920×1080 推奨、メモリ 4GB以上、HDD 20GB以上
【環境条件】
動作時:5~30℃ /0~80%RH、保管時:0~35℃ /0~80%RH (ただし結露なきこと)
Z-SCANには縦方向に上下する機構が搭載されていて、設定された複数の高さで刻みながら自動的に複数の画像を撮影します。撮影した画像をHelocon Focusという画像処理ソフトを使って撮影対象物に凹凸があっても、そのほぼすべてに焦点が合った画像を合成します。
このような技術を搭載した深度合成カメラはこれまでも様々なメーカから製品化されていましたが非常に高額でした。もっと手軽に深度合成画像処理技術に触れていただくために、このプロジェクトを企画しました。
Z-SCANは、弊社株式会社GRIPSと、弊社のお客様でもある国内大手の精密機器メーカの技術者様との共同企画で誕生しました。技術的なコンセプトは、この開発者の方からアイディアをいただき、これまでにはない、企業間のオープンイノベーションとして開発が進み、また開発の早い段階から弊社のお客様に開発途中のプロトタイプ版をご評価いただきながら商品としてご提案できるところまでたどり着きました。多くの人に新しい技術を安価に利用していただきたいという思いで試作、開発を進め、特に教育機関のお客様、パートナー様には、商品の使い勝手や技術的仕様に至るまで、さまざまなご助言をいただいております。
すでに先行的にプロトタイプを全国の教育機関の先生方、学生の方々、企業の研究職の方々にご使用いただき、使い方の手軽さや深度合成の面白さを体感していただいております。
その反応はおおむね良好でしたが、商品化に向けた細かい構造や機能について、多くのご意見やアドバイスを反映させて設計変更を行っております。例えば、顕微鏡のレンズフロントにLED照明を搭載させたり、高さ方向の軸のブレを最小化するようなばね機構を採用したりなど、実際に使ってみてわかる改善点を開発早期の段階で取り入れられたことは、商品化に非常に有効に働きました。
画像処理ソフトはHelicon Focusの評価版が無償で使えますので、金額を大幅に抑えてご提供することができました。教育機関では顕微鏡を使った実験、観察用途に、ものづくりの現場